管理とマネジメント
このところ「管理職」ではなく、「マネジメント職」という表現のほうが一般的になってきました。
一般的に管理には、「規則からはみ出さないように監視・是正する」といった保守的な意味合いが強いです。
一方、マネジメントには、管理という仕事にプラスして、「評価・分析・選択・改善・回避・計画・指揮・統制・組織化」など、ビジネス全般を統括する業務を指すケースが多いです。
日本語に直せば、「経営」の意味合いのほうが強いのではないでしょうか。
このように、会社の中で部下を持つ「上司」という職制は、求められる役割が幅広くなったため、「管理職」よりも「マネジメント職」との呼称の方が、より適切と考えられるようになったのでしょう。
ただ、この記事では、あえて上司の立場を「管理職」と記します。
管理職の仕事とは「判断と責任」
「管理職」の仕事とは、突き詰めれば「判断と責任」だと言えます。
そして、そのひとつ手前にあるのが「部下に対する業務指示と履行確認」なのです。
組織として、常に右肩上がりの成長をしており、かつ、何の問題も起きないのであれば、マネジメントする人間は必要ありません。ほったらかしにしていても万事、順調ということですから。
でも、こんなに都合の良いことは絶対にありえませんよね。
仕事をしていると必ず何かの問題が起きます。常に右肩上がりの成長を持続することはできません。
何らかの問題が発生したとき、あるいは、組織としての成長が伸び悩んだとき、「どうすべきか」を誰かが判断し、意思決定し、その実施または結果に責任を負う必要があります。
その誰かとは、管理職に他ならないのです。
組織の大小に関係なく、そのトップに立っている人間が行うべきことです。
判断と責任
極論すれば、「判断と責任」さえ取っていれば、管理職は他に何もしなくても良いのです。
逆に「判断と責任」を取れない人は職務不適格者であり、管理職になってはいけないのです。
(判断と意思決定と実行は、職制に関わらず優秀な人が行い、うまく行かなかったときの責任だけ”優秀ではない職制にある人”が負う、という手はあるのでしょうけど・・・)
そのために必要なこと
しかしながら、無目的的に、無作為に組織が動いた結果に対して、いくら管理職とは言え、一個人が判断を迫られ責任を負わされるのはナンセンスですよね。
より良い成果を出すために、問題を事前に回避するためには、管理職は「部下に対して”適切な”指示」を出し、それがしっかりと行われているか「履行確認」することが必要であり、そのための権限も付与されています。
ですから、「判断と責任」を全うするために管理職に求められるスキルは「適切な指示を出し確認するためのスキル」と、「指示事項を部下に実行させられるスキル」です。
「適切な指示を出し確認するためのスキル」は自分自身の内的な能力であり、「指示事項を部下に実行させられるスキル」は他者に働きかける外的な能力と言えるでしょう。
前者は「頭でっかち」なだけでも何とかなるけれど、後者はそうはいかない。
だからゆえに、世の管理職の悩みの大半は、後者の「いかにして部下を動かすか」にあるのでしょう。
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