【傾聴】話しを促す4つの技法|聞き上手になるために3

 

 

前章「聞き上手になるために2 シンプルな4つのかかわり方」で、4つの「かかわり行動」(視線・身体言語・声の調子・言語的追跡)を紹介しました。ポイントは、いずれも相手に合わせることだと述べています。

 

これからは、「かかわり技法」の基本となる項目を4つ紹介します。これらは「かかわり行動」からさらに踏み込んで、相手により話しをしてもらうための技法となります。

ポイントとなる部分は青字で記載します。

 

かかわり技法

「かかわり技法」として紹介するのは、次の4項目です。

  • 質問
  • はげまし
  • いいかえ
  • 要約

 

質問

情報収集するとともに、相手が自分自身を振り返るために問いかけることです。

質問には、はい・いいえで返答してもらう「閉ざされた質問」と、より多くの情報を引き出す「開かれた質問」の2種類があります。

 

「閉ざされた質問」は、答えが限定的となりますので相手にとって答えやすく、また手っ取り早く情報収集できるという長所があります。

「映画を見るのは好きですか?」 → 「はい」

一方、相手にとっては、話したいことが話せないのと、はい・いいえで答える質問を続けられると、詰問されている印象を持つという短所があります。

ですので、話をはじめる導入として相手の緊張を軽くほぐすのに用い、以降は単発的に用いる(続けない)のが良いでしょう。

 

「開かれた質問」は、「なぜ・どうして?(理由)」、「どんな?・具体的には?(具体例)」、「どうなった?(経過)」、「どう思った・感じた?(感情)」などを問いかけるものです。

「どうして映画が好きなのですか?」

「どんな映画が好きですか?」

→ 「う~ん、そうですねぇ・・・」

これによって相手から、多くの情報を引き出せるとともに、相手が「自分はどうだろか?」と自問自答することを通じて、さらに「話したいこと」を見つけ出していくのです。

 

なお、ここでの注意点は、「なぜ・どうして?(理由)」を、あまり多用しないこと。聞き手としては、一番聞きたいことかもしれませんが、聞かれる方にとっては、答えにくい場合が多いためです。

 

はげまし

英語では「encouraging」ですので「はげまし」となっていますが、行為としては、「促し」と表現したほうが良いかもしれません。

前記事の「かかわり行動」全般とほぼ同じことで、表情や態度、うなずきなどの非言語的な反応と、「はい」「ええ」「うん」といった言語的な反応があります。

そして言語的反応には、「伝え返し」というのもあります。

これは相手が言った言葉を一言二言繰り返すことですが、単に言葉を拾い上げるのではなく、意味や意図をもって繰り返すことが大切です。

 

「オウム返し」と表現されることがありますが、そんなに単純なものではないと思います。

「好きな映画は・・・、アクション映画ですね」 → 「アクション映画?!」

ちょっと文章で表現しにくいのですが・・・、上の例示の「?!」のように、「お、そうなんだ!、でもなんで?、もっと聞きたい」などの聞き手の思いを込めて繰り返すことなのです。

相手をうまく乗せて、どんどんしゃべらせることが出来る人は、これが上手な人なんですね。

 

そして、「沈黙」という間も大切です。

「開かれた質問」をされたとき、とっさに答えられないのはよくあることです。

聞かれたほうは、「う~ん、どうだったっけ・・・」と考えを巡らせているのですね。その間は、十分考えてもらうよう「沈黙」を守ることが大切です。

 

聞き手としては、沈黙の時間は、けっこう怖いものがありますし、長く感じるものです。でも、話し手にしっかり話してもらうためには、考えを遮るようなことをしてはいけません。

しかし、話し手が「答えにくい・答えたくない」質問であったために、沈黙することもあります。

この場合は、沈黙を続けること自体が、話し手にとって負担となります。

しっかりと相手の表情とその変化を見て、「答えたくない」と分かれば、他の質問に切り替えるようにしましょう。

その際、一言、「答えにくかったですね」と添えてあげると、相手に安心感を持ってもらえますよ。

 

 

 

いいかえ

前章の「はげまし」のなかで「伝え返し」を紹介しました。

これは、意味や意図をもって、一言二言繰り返す、ということですが、「いいかえ」は、さらに進めたものです。

イメージとしては、相手の話したことを一文にして返す(≒「伝え返し」よりも、ボリュームを増やして返す)といった感じでしょうか。

 

「好きな映画は、アクション映画ですね。気分がムシャクシャしているときとか、落ち込んでいるときに見ると・・・、スカッとすると言うか、なんか、気持ちが晴れるんですよね」

→ 「気持ちが晴れるんですね!」(伝え返し)

→ 「落ち込んでいるときに見ると、スカッと気持ちが晴れるんですね!」(いいかえ)

ここでのポイントは、相手の話をしっかり聞いているということと共に、内容を正しく理解しているということを、伝えることにあります。

ですから、一文にするとは言いつつも、できるだけ簡潔に返すのが良いですね。

 

要約

相手がたくさんの話を一気にしゃべったとき、あるいは、様々な話が展開してきて何がいいたいのかよくわからなくなったときに、一旦、整理することが「要約」となります。

「『かくかくしかじかで、ああしてこうしたら、こうなった』、ということですね?」

「要約」そのものは、「簡潔に順序だてて経過を述べる」ということです。

でも、相手の話が混乱していたり、ボリュームが多いわけですから、聞き手がちゃんと把握しきれない場合もあるでしょう。

そこで、終わりに「~ということですね?」と確認すると良いですね。

これで正しく理解できているか分かりますし、何より「聞き手のことを尊重している」というメッセージになります。

 

日常会話で「要約」を使うことはあんまり無いとは思います。

が・・・、ダークサイドの活用法として、話がやたらにクドい人に対して「要約」を連発してあげると、だんだん意気消沈し、やがて話が短くなる場合がありますね。

でも、あまりやり過ぎると相手をイラつかせるので、ご注意を。

・・・・・・・・

「いいかえ」「要約」とも、聞き手の意図を強く反映させることができます。

相手の言った「どの言葉を拾い上げるか」、「どんな言葉に置き換えるか」によって、話の印象を変え、話の流れを誘導することができるからです。

いわゆるパワープレイなどでは、このテクニックを使う場合があります。

 

ただ、「聞き上手になる」ためには、「聞き手の意図性をもって介入する」ことは望ましくないと考えます。

中途半端にやると、こちらの思惑がバレてしまって、相手に不信感を与えかねませんから。

そういう意味でも、「いいかえ」「要約」においては、極力、相手が発した言葉をそのまま用いることをお奨めします。

 

まとめ

「聞き上手になるために」と題して、3回にわたって書かせていただきました。

すでにお気づきの方もいらっしゃいますが、これはアレン・アイビィというアメリカの心理学者が開発した「マイクロ技法」をベースにしたものです。

日常において、「聞き上手になる」ためにどうすれば良いかをテーマに、私自身の解釈や経験則を踏まえて書きました。

よって、カウンセリング的な要素は大幅にカットしています。

「マイクロ技法」自体、もっともっと広く奥深いものですので、ご興味がありましたら、一読してみてください。

 

<おすすめの書籍>

聞き上手になりたい方におすすめしたいのが「プロカウンセラーの聞く技術」と「プロカウンセラーの共感の技術」の2冊です。

プロカウンセラーの聞く技術」では、傾聴の基本的な技法が、「プロカウンセラーの共感の技術」では、共感の得方について、とてもわかりやすく書かれています。

ぜひ、ご一読ください!

 

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