アメリカが利上げしたら日本にどんな影響があるかをシンプルにまとめてみた

 

(追記、多数あり/一部は、記事後部に記載)

サミット開催期間中、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が、利上げする可能性を述べたました。

去年の12月におよそ10年ぶりに利上げをして以降、「さらに上がるぞ~」って予測は常にくすぶっていて、今年のうちに4回利上げするって話もありました。

問題は、それが何時なの?ということで、FRBの会合前には「今回こそは上がるのか?それともやっぱり上がらないのか?」と世界中が騒がしくなるのですが・・・。

どうやら、6月か7月に利上げが決定されるみたいです。

 

ところで、アメリカは何で利上げしたいの?って疑問を持ったことはありませんか?

あるいは、アメリカの利上げで何で大騒ぎするの?という疑問。

さらにアメリカの利上げが日本で暮らす自分たちにとって、どんな影響があるの?という疑問も。

このあたりをできるだけ分かりやすく、シンプルに記したいと思います。

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低金利ってどういうこと?

金利が変わるとどうなるの?

まず、金利が変わるとどうなるの?ですが、簡単に言ってしまうと「お金の流れが変わる」となります。

大前提は、

  • 金利が高いと、預けている人は得 / 借りている人は損
  • 金利が低いと、預けている人は損 / 借りている人は得

ですよね。

そもそも、お金をもっている人で預金をしている人は、少しでも金利が高いところに預けようとします。

借金をしている人にとっては、金利が低いとお金が借りやすいですが、金利が高くなると負担が大きくなるので早めに借金を返そうとします。

政策的に、利下げを「金融緩和」と呼び、お金を借りやすくして景気を良くします。

利上げは「金融引き締め」、行き過ぎた景気上昇に歯止めをかけることを示しています。

低金利だとどうなのか?

今は金利が低いですよね。これは「金融緩和」実施中、ということです。

個人で見ると、銀行にお金を預けても、利子は雀の涙にもなりませんが、住宅ローンの利子はとても低いですから、その分、負担は少なくなっています。

このように、金利が低いと借りている人が得をしているわけです。

 

これを会社に当てはめると、

「お金を溜め込んで利子をもらうよりも、お金を借りてそれを事業で回したほうが、差し引きで儲かる」

となります。

つまり、投資が促進されるわけですね。

 

会社がたくさん投資をして生産力をあげると、売り上げが伸びて儲けが増えてきます。

それまでよりも会社の稼動が増えますので、人手が不足します。

すると、会社は人手不足を解消するために、雇用を増やしますし、今いる社員が辞めないよう(転職しないよう)に、社員の給料を上げます。

社員は、給料が上がった分、気前が良くなり金払いが良くなります。

失業者は減り、新たに働き始めた人も、収入があるので金払いが良くなります。

ということで、金利を下げたら消費が拡大して、景気が上向きます。

皆、ウハウハですね。

 

アメリカが利上げしようとする理由

「だったら金利は低いままでいいじゃないか」と思いますよね。

でも、残念ながら、そうでもないのです。

まず、設備投資をして商品の供給を増やしたところで、必ずしも需要(=消費)が伴うとは限りませんし、商品がひとあたり出回ると、「もう持ってるから、これ以上は必要ない」と買ってもらえなくなります。

消費は、いつか、どこかで頭打ちするものですから。

すると、不良在庫に過剰設備の山、という悲惨な状態になるのです。

 

それと、余ったお金の行き場探しが始まります。

設備投資がいっぱいいっぱいになって、これ以上やれることはない。だけどお金は低金利で借りられる。

こうなると、余ったお金は不動産とか株とかの資産にに流れていきます。

不動産や株はどんどんと値上がりし、やがて投資から投機に変わります。そして、実態価値以上の価格になるのです。

 

バブルです。

 

バブルですから、いつかは弾けてしまい、そのときの反動は、ひどいものです。

つまり、低金利を続けすぎることは、景気の過熱感を呼び起こすという問題があるのです。

そもそも、今のようなゼロ金利とか、マイナス金利というのは、異常事態なんです。

お金そのものを商品と見立てると、それを売っても(貸しても)儲けがないのですから。

ということで、長い間、低すぎる金利政策であったアメリカは、そろそろ適正化したい、つまり、利上げしたい、と考えているのです。

 

アメリカの利上げで何で大騒ぎするの?

借金の負担が増える

利上げ後に借金すると今までより損することになるので、アメリカの企業は、借り入れを見送ります。すると設備投資が少なくなって、生産性は横ばいか低下します。

また、利上げによって借金が残っている会社は金利負担が増えます。

よって、利上げが行われると企業業績が悪くなる可能性が高まります。

株価が下る

そして、企業業績が悪くなるということは、株価に大きな影響を与えることにもなります。

株価は近い将来を見越した「思惑」によって決まっていますので、今、絶好調でも、「金利が上がる」ことで、「近々、ダメになるのでは?」との思惑が走れば、株価は大暴落になるリスクを抱えているのですんですよね。

ドル高になる

アメリカ人のお金持ちは、国内で貯金していても、たいして利子をもらえないので、少々リスキーでも利息の高い海外(特に新興国)で預けています。

ところが、利上げされれば、アメリカのほうが安全ですからお金を戻します。

現地のお金を売って、ドルを買う、つまり、ドル高になるのです。

アメリカ人だけではなく、世界中のお金持ちも同じようにドルを買うようになると考えられます。

ドル高になると・・・、アップルやマイクロソフトなど、アメリカの輸出メインの会社の業績は、悪くなります。

さらに言えば、株価下落を見越して、今、持っている株を売ってドルにして預けるという動きも出てきます。

すると、株価下落に拍車がかかってくるのです。

利上げで大騒ぎする理由

ということで、利上げをすると、企業の借り入れ負担が大きくなり、また、ドル高になるので、アメリカの企業は「困る!!」のです。

利上げ自体、行き過ぎた景気の抑制が目的でありますが、その上げ幅によっては、抑制どころか、とんでもない悪影響になるかも、という懸念があるのです。

あわせて、それが何時行われるかによって、お金を移動させる最適のタイミングが決まりますからね。

なので、いつ、どれだけ利上げするのか?と大騒ぎになるのです。

FRBのイエレン議長が、「年内4回の利上げ」と言いつつ、実行してこなかったのは、その影響が大きいため、慎重にならざるをえなかったのでしょう。

おそらく、「上げるよ~」と言って、市場に準備(=折り込済みといいます)をさせていたのではないかと思いますが・・・。

 

日本への影響

ドル高になるということは、円安になるわけですから、日本の輸出企業にとってはプラスになります。

あわせて、日本株への投資も行いやすくなりますね。

なので、株価上昇!、日本の景気向上!!と考えられるのです。

 

ところが・・・。

まず、短期的にはアメリカ株が下ると、世界中の株が下落し、日本株も当然、下ります

中期的には、日本の重要な輸出先国であるアメリカの景気が悪くなるので、日本からの輸出品が売れなくなるんです。

 

日本の株価はアメリカに連動しているといわれますが、「アメリカの株価が落ちるときに日本の株価も連動する」といったほうが正しいかもしれないのです。

こちらの株価のチャートは、上は1年間のニューヨークダウ、下は日経平均の値です。

ごらんのようにアメリカが落ちるときは同じように落ちますが、上がるときはそうでもないのですね。

特に、1月半ば以降、アメリカは上がっているけど、日本は横ばい。

これで、アメリカが落ち始めたとき、日本が逆行して上がるか?と聞かれたら・・・、大声でYES!と答える人は、まずいないのではないでしょうか。

むしろ、株は下がる!景気は悪くなる!!と考える人のほうが多いはずです。

利上げが実施されたら、円安影響で一度ドンと上がって、その後、じりじりと下るのではないかと予想しています。

 

まとめ

株価自体、さまざまな要素で上がったり下がったりします。

為替のプラス要因とアメリカの経済悪化(悪化するとはかぎりませんが・・・)というマイナス要因が、どの程度、相殺するか、あるいは、中国をはじめとした各国の社会・経済状況など、いろんな影響があるので、どうなるかは本当に神様にしか分からないのでしょう。

ただ、おそらくですが、少なくとも短期的には円安になると考えられますので、アメリカ旅行を予定している人は、利上げ前に円をドルに替えておいた方がお得かもですよ。

以上、アメリカの利上げの意味と影響について、記しました。

かなり乱暴、かつ、端折っている部分もありますので、大体、こんなもんだといった程度でご理解ください。

 

<追記>

6月か7月の利上げは見送られました。

理由は、アメリカ国内のいくつかの指標が、想定よりもよくなかったからのようです。

なお、9月21日に開催されるFOMCでは、0.25%の利上げが有力視されていましたが・・・、8月の小売売上高が、これまた予想以上に悪かったことなどから、今回も見送られる公算が高まっています。市場では、すでに「現状維持」が織り込み済みとも。

 

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では、また。