住宅ローンを組んで10数年。
半年に一度、銀行から送られる「返済予定表」を見るたびに、結構な金利を払っているなぁ、と思っていました。
それと、ネットで自動配信される住宅ローンの広告がありますが、その金利が随分と低く設定されています。
それを見るたびに高い金利を払わされているというイヤな気分になっていたのです。
同じ銀行のローンなのに、新しく組んだ人のほうが自分よりもずっと低い金利で済むのを見せつけられるわけですから、ね。
もちろん、低い金利は、住宅ローンを新規に組む客や、借り換えする客を取り込むためのいわゆるキャンペーン金利です。
釣った魚にエサをやらないのと同じで、もうローンを組んでいる顧客にサービスするほど、銀行は太っ腹、ではありません・・・。
すでに住宅ローンを組んでいる身としては、低い金利の適用を受けるためには、他の銀行で借り換えるしかありません。
この事務手続きがとても面倒なのと、借り換えのための一時金を支払うのが馬鹿らしいので、住宅ローンを特に見直しすることなく放置していたのです。
でも、先日、「返済予定表」が届いたのをきっかけに、住宅ローンを組んでいる銀行に、「金利を下げてもらえないか」と申し出てみたのです。
私としては、「ダメ元」くらいの軽い気持ちで申し出たのですが、結果、拍子抜けするくらいアッサリと金利引き下げしてもらえたのです。
以下、交渉というほど、たいしたことはやっていませんが、住宅ローンの金利引き下げ交渉前にやったことと交渉で成功したポイントを記します。
金利引き下げの申し出の前にやったこと
金利引き下げ交渉の前に、借り換えを行ったら、どんな条件になるのかをチェックしました。
インターネットバンクのサイト上で住宅ローンのシミュレーションしてみたのです。
現在のローン残額・年数をもとに入力したところ、ローン返済額は、相当少なくて済むことがわかりました(金利が全然低いのですから、返済額が少なくなるのは当たり前なんですけど・・・)。
一方、内容がよく分からない「諸経費」もはじき出してくれます。
これがウン十万円と、結構な金額になるので、これまで借り換えに抵抗があったわけですが、返済額とあわせても、現在のローンよりは安く済むというのがわかりました。
そこで、銀行にはこの合計額を目安に、住宅ローンの金利を引き下げる交渉をすることにしました。
住宅ローン金利引き下げ交渉第一弾
まずは銀行に電話をしました。
私:「今、そちらで住宅ローンを組んでいる者ですが、ネットで私が支払っている金利よりも、随分と格安の金利で提供されてますよね?今の私の住宅ローンをこの低い金利にしてもらうことは可能でしょうか?」
銀行:「ネット広告をごらんになっているのですよね?あれは、新規か借り換えの方のための優遇金利でして・・・」
私:「すでにローン契約を組んでいる人には適用されないのですか?」
銀行:「申し訳ありませんが、その通りです」
私:「なるほど、わかりました。低い金利にするためには、他の銀行さんに借り替えるしかないということですね。では、住宅ローンを他の銀行に借り換えするのに必要な手続きについて、教えていただけますか?」
銀行:「少々、お待ちください」
しばらくして、
銀行:「お待たせしました。新規や借り換え用のローン金利を適用するのは難しいのですが、多少でしたら金利を引き下げることは可能かと思います。いかがなさいますか?」
私:「え?金利を下げてもらえるんですか?どれくらい下げてもらえるのですか?」
銀行:「行内で審査しないと何とも申し上げられません。よろしければ、審査にかけますので、源泉徴収票をお送りいただけますか?」
私:「でしたら、近日中にそちらに伺います」
と言った流れでした。
この時点で、「ダメかも」と思っていた住宅ローンの金利引き下げの可能性が出てきたのです。
ここでのポイントは、
住宅ローンの金利を低いものにするため、他の銀行に借り換える
という言葉ですね。
銀行としては、住宅ローンってほとんどコストをかけずに金利収入が稼げているものですから、それを他の銀行にの借り換えされると、困るわけです。
特に、銀行の支店の担当者の成績に響くでしょうからね。
なので、ローンの借り換え希望をストレートに言うと、なんとか引きとめようとするのでしょう。
住宅ローン金利引き下げ交渉第二弾
数日後、予約のうえ銀行を訪問しました。
私としては、返済額がネットバンクに借り替えた場合よりも、少し多いくらいならOKという条件で臨みました。
私:「ぶっちゃけ、金利はいくらに下げてくれますか?」
銀行:「行内の審査がありますので確定ではありませんが、金利は概ねX%前後になろうかと思います」
銀行側はすでに見積もり準備をしていたようで、サラッと数字を言ってきました。
しかも、その金利は、私のOKラインとほぼ同じだったのです。
この時点で交渉は終了。
なのですが、せっかく足を運んだので、気になっていたことを質問してみました。
私:「そもそも住宅ローンの金利って、どうやって決まるんですか?」
銀行:「基本となる金利というのがあって、それをベースにしています」
私:「同じ銀行の住宅ローンでも優遇金利ってありますよね?あれは何なんですか?」
銀行:「住宅ローンは商品ですので、その時々でさまざまなキャンペーンをやっています。基本的には新規か借り換えのお客様向けのものです」
私:「今回、提示してもらった金利は、どんな計算から出てきたのですか?」
銀行:「それは、ちょっと(苦笑)」
・・・どうやら企業秘密のようで、教えてくれませんでした。
私:「10数年、こちらで住宅ローンのお世話になっていますが、ホームページを見たら金利については、『すでに当行でローンを組まれている方は対象外です』と書かれているし、これまで、金利引き下げが出来ると言った連絡もなかったんですけど・・・」
銀行:「申し訳ありません。すでにローン契約を結ばれている方には、特段の通知をしておりません。ただ、このようにご相談があった場合は、個別の対応をすることもございます」
私:「なるほど。銀行としては、自ら金利を下げますとは言わないということなんですね。ま、そちらもご商売ですから、わざわざ自分から損をするようなマネはしませんよね・・・」
銀行:「・・・(苦笑)」
ローン金利引き下げ交渉の成功のポイント
このように住宅ローンの金利交渉、とても簡単に終わりました。
軽~く「他行に借り替える」とは言いましたが、ほとんど交渉らしい交渉もなく、かえって拍子抜けしたくらいです。
私としては、他の銀行への借り替えの手間なく、金利をそれまでのおよそ半分にまで下げてもらえることができたので、大満足です。
こんなにアッサリとできるのだったら、もっと早くやっておけば良かったと思いましたね。
銀行としては、すでに住宅ローンを組んでいる人に向けて、自ら「住宅ローンの金利を引き下げます」とは言ってきません。
そんなアナウンスをしたら、「じゃあ、金利を下げてよ!」という人でいっぱいになって、銀行の儲けが減ってしまいますからね。
でも、「相談には乗る」というスタンスは持っています。
これはつまり、他行に借り換えてしまいそうな人を引き止めておくために、少しくらいなら引き下げる、ということなのです。
なので、現在、住宅ローンなどの借り入れがある方で金利を下げたいという方の交渉の最大のポイントは、とにかく、
- 「住宅ローンの金利を下げてくれ!」
- 下げてくれないのなら、他の銀行に借り換える
と申し入れることです。
黙っていたら金利は絶対に下げてもらえませんので、まずは、声をあげてみましょう。
それだけで金利を下げてもらえる可能性は十分にあります。
特に、高めの金利を払っている人は、相当、高い確率で下げてもらえるはずですよ。
ご幸運をお祈りします!
では、また。