50代で転職に失敗した4人の実例から学ぶ転職で気をつけるべき3つのポイント

私の先輩や知人で、50代で転職している人が何人もいます。

50代での転職って、かなり無謀というイメージがありますよね。

実は、ほぼ全員が自ら望んで転職したのではなく、「本当は転職したくないけど、しかたなく」といった理由です。

 

先輩・知人の中には、良い転職先を見つけ、転職先の環境にもうまくマッチすることができて、とても充実した第二の人生を過ごしている人がいます。

そう考えると、中高年の転職、しかも50代の転職は決して「無理」なことではなく、やり方を間違えなければうまくいくものなんです。

(私自身、退職したあと、1年間のブランクがありましたが、再就職できましたし、再就職先にとても満足しています)

 

しかしながら、転職に失敗したという人も、残念ながら何人もいます。

直接、話しを聞いてみると、この人たちが転職に失敗したのは、それなりの理由があったからなんです。

 

そこでこちらでは、50代で転職に失敗した知人4人から直接聞いた実例をご紹介しつつ、中高年で転職を行うときに気をつけるべきことをまとめてみました。

 

50代で転職に失敗した実例

地域センターに転職した人

公民館や図書館などと同じく、地元住民の活動のための公共施設である地域センター。給料は安いけど、仕事は楽だからいいや、ということで、ある先輩が地域センターに転職しました。

 

実際に仕事をはじめると、本当にヒマでヒマで仕方なく、ほとんどやることの無い毎日が待っていました。

じっと机に向かって座り続け、仕事をしているフリをするか、細々した雑用を作っては、軽作業を行って時間をつぶす毎日。

 

基本的にほとんど仕事らしい仕事はないのですが、とても重たい仕事がひとつありました。

それは、施設を利用する老人からのクレーム対応だったんです。

 

このような地域センターで活動しているのは、老人のグループが主体なのですが、とにかくワガママでどうしようもない老人が何人もいて、その人たちが無理難題をあたりまえのように押し付けてくるのです。

それに対して「できません」と答えようものなら、ひたすら文句を聞かされ、罵倒される始末。理屈も何もあったもんじゃないのです。

 

この先輩は、長く営業の仕事をしていた人なので、お客様からの理不尽な要求に慣れてはいるのですが、「お客様ではない人(=施設使用料はほぼ無料で、おまけにろくすっぽ税金を払っていない人)」に、上から目線でムチャな命令をされ、断るとボロクソ言われるのは、どうにもこうにも納得がいかないとの思いがありました。

さらに、老人同士の派閥争いの仲介という本当にくだらないことをやらされるハメとなり、さすがにバカらしくなって、半年で辞めたのです。

 

損害保険会社に転職した人

損害保険会社で、交通事故の査定と、被害者との交渉を行う仕事に就いた人の話。

 

被害者が受けた肉体的・精神的な損害に、加害者に成り代って「値段」を付ける仕事です。

被害者からの攻撃の矢面に立たされるのはもちろん、加害者は少しでも責任逃れをしようとするし、損保会社は査定を低くする(=保険金の支払額を少なくする)ため、強烈なプレッシャーをかけてきます。

そして、保険金詐欺まがいの被害者もザラにいたとか。

 

この人は、すでに損保会社に転職していた先輩から、「楽勝だからおいでよ」と誘われ再就職しました。

前の職場では、長く商品のクレーム対応などの渉外の仕事を中心に行っていたので、ある程度はできるだろうと自信もあったのです。

 

ところが、実際に仕事をして初めて、事故処理の悲惨さと被害者・加害者のエゴ、業界の裏の面が見えてきて、精神的にとても厳しい仕事だと分かってきました。

そして、これは「無理」と退職したのです。

 

ちなみに、誘ってきた先輩は、心臓に毛がはえているのでは?というくらい神経の図太い人だったとのこと。

相当、ハートが強い人か、あるいは、何でも適当に流していける人でないと、この仕事は無理だと言ってましたね。

大型特殊車両の輸送業務に転職した人

車の運転が好きで、鉄道が大好きな人が、趣味と実益を兼ねたかたちで、鉄道車両を運搬・警備する仕事に就きました。

鉄道車両を工場から操車場まで持って行くトレーラーの運転業務で、運ぶモノがモノだけに、交通量の少なくなる夜中の仕事となります。

当初は楽しくやっていて、そのうち遠距離の仕事も任されるようになりました。

 

若いころからやっていれば、身体も出来上がっていたのでしょうけど、50代になって初めての深夜の長距離運転業務は、さすがに身体にこたえたらしいです。

そして、東京から九州に運搬する仕事をしたとき、行きは鉄道車両を載せているのでゆっくり走れるのですが、帰りは翌日の仕事が入っていたので大急ぎだったとか。

この往復2000kmの運転で、「このままじゃぁダメだ」と退職したのです。

 

機械部品の卸会社に転職した人

この人のケースは、悲惨すぎると言うか・・・。

 

社員数20名ほどの機械部品の卸会社に転職する際、オーナー社長から「総務の仕事がメインになるけど、幅広くいろんなことをやってもらいたい」との注文はあったのです。

これくらいのリクエストはよくあることだし、実際に総務の仕事の延長線上くらいだろうと想像していたのですが・・・。

 

出勤初日、会社に行くと社員が5名しかいなかったそうです。

「どうしたんですか?」と聞くと、社長が、

あなたのように何でもやれる人が社員になってくれるので、これまで問題のあった社員には辞めてもらった。心機一転、少数精鋭でがんばっていこう!」

といわれたとか。

 

どう考えてもまともじゃない。

ので、その場で入社辞退すれば良かったのですが・・・、やっと見つかった転職先なので、様子を見ることにしたのです。

 

すぐに分かったのは、とんでもなく大量の業務を押し付けられ、さらに、頭のイカれた社長から、ありえないオーダーが連発される職場であるということ。

1週間ほど我慢したものの、頭痛や手のシビレなどストレスが身体に出始め、これ以上、ここで仕事を続けるとおかしくなると考えて、辞めたのだとか。

もちろん、辞めるにあたっては、社長から損害賠償うんぬんを言われ、大揉めに揉めたそうです。

 

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50代で転職に失敗した人の問題点

転職に成功するか失敗するか要因は、本人と転職先会社とのマッチングによるので、一概に言えない面が多々あります。

ただ、上に記した事例、また、これら以外に本人や人伝で聞いた事例からみると、50代で転職に失敗する人には、いくつかの原因(問題点)があるように思います。

 

これまでの実務経験が生かせない

これまでまったく実務経験がない仕事に50代で初めて就いたら、まずうまくいかないのは簡単に想像できますよね。

一方、これまで経験してきた職種であっても、会社や業界が変われば考え方ややり方が全然違い、持っているスキル・ノウハウが通用しない場合があるんです。

 

「自分は、豊富な実務経験があるし、しっかりとスキル・ノウハウを持っている!」

と思っていても、それは自分が思っているだけかもしれません。

あるいは、経験やスキル・ノウハウが、転職先で通用しないかもしれないのです。

 

なので、これまでの実務経験を生かすことは大前提となりますが、自分自身の持っているスキルやノウハウを客観的に把握し、あらたな職場でのニーズと照らし合わせて、マッチしているかをチェックしないと、転職がうまくいかないと言えるでしょう。

 

自分の適性に合っていない

この適性というのは、性格上、その仕事に向いているかどうかのこと。

それまで、何十年もやってきたことなので、ほとんどの場合、その適性がある、もしくは、身についたと考えられますが、もしかしたら

「その組織の中で、その立場にいたから、その仕事に対応できていただけ」

という可能性も十分あるのです。

 

また、「第二の仕事だから、自分がやりたいことを仕事にする」ことができれば理想的です。

でも、趣味でやっている間は良いけれど、それが仕事となった瞬間、全然レベルが伴わなかったというのはよくある話です。

50代は体力的な問題もありますし。

 

焦って転職した

それぞれの事情があって転職・再就職を「せざるを得ない」ところですが、中には本当に切羽詰った状況で、ほぼ選択の余地無く転職する人もいます。

また、現在の転職市場は、売り手市場と言われつつも、中高年になるとやはり、求人は限られており、妥協した上での転職活動をしなければなりません。

それでも、書類で落とされ、面接で落とされる日々が続き、落ち込んでいる中で内定が出ると、飛びつきたくなるのが人情というもの。

転職先の会社の内情を把握できていないまま、転職してしまうこともあり得ます。

このように焦って転職すると、どうもうまくマッチしないようなのです。



転職で失敗しないために気をつけるべき3つのポイント

転職に失敗した事例とその原因を挙げました。

ここから学ぶべきポイントは、

  • 自己認識をしっかり行う
  • 転職先企業の内情を把握する
  • 焦らない

ことだと言えるでしょう。

 

他に転職で気をつけるべきことはいくつもありますが、特に中高年の転職者は、

「自分は一定レベル、出来上がっているので大丈夫」

と思っているけれど、案外、そこに落とし穴があるということ。

本当に気をつけるべきだと感じましたね。

また、20代・30代で転職を考えている人も、これらの点には十分に気をつけて、転職活動に臨まれたほうが良いでしょう。

 

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では、また。