50歳代後半の私が再就職した理由(やることのない自由な毎日って飽きますよ)

 

再就職して約半月、生活サイクルを「お勤め人モード」に戻し、新しい職場環境にも少しずつ慣れてきました。

 

再就職先が決まるまで、何社も応募しては門前払いを受け、また、面接にこぎつけても「お祈りメール」で不採用を知らされながら、ようやっと決まった再就職先。

大変ありがたいことに、再就職先での仕事、職場の雰囲気、そして、人間関係はとても良好で、「ここなら、やっていけそうだ」とホッとしているところです。

 

とは言いながら・・・、なんだかんだで疲れを感じていましたので、このゴールデンウィークは恵みの休暇となっています。

失業中は毎日が日曜日、今日は何曜日か?はテレビドラマを見るときくらいしか意識しなかったんですけどね、今は休日のありがたみをヒシヒシと感じております(笑)。

 

さて、今回は50歳代後半のおっさんが、なんで再就職したのか?を記します。

すでに早期退職した方や、検討している方で、

「これからどうしようか?また勤めに出た方が良いのかな?」

とお考えの方、参考になれば幸いです。

 

再就職したのではなく、再就職できたというのが実際

まず、「再就職した」と書いておりますが、正しくは「再就職できた(≒採用してくれた会社があった)」というのが実際の感想です。

今、世の中は「人手不足」、昨今の有効求人倍率は1.5倍以上とすごい高水準と言われていますよね。

 

でも、この有効求人倍率には「統計のマジック」が隠されているんですよ。

細かく中身を見ていくと、人材の実需があるのは、

介護・医療系、飲食店、建設関連の現場スタッフに、IT系のエンジニア

といったところ。

 

これらの業界・職種って、労働者にとって、とても厳しい環境にあるため、就業希望者が少ないうえに辞めていく人も多いので、人手不足がすさまじく、実質求人倍率は6~7倍とめちゃくちゃ高いのです。

これが有効求人倍率を全体的に底上げしているのですね。

 

一方、私が希望していた「管理系の事務職」は、求人枠は少ないのに、就業を希望する人がたくさんいるので、有効求人倍率は0.5倍程度

人手不足どころか、実は職場の中では人がダブついていると言ってよい状況なんですよね。

 

この1年、就職活動をする中で、私が応募した会社は(私の知る限り)どこも応募倍率は数十倍、中には100倍を超えていた会社もありました。

 

この激しい競争率は、私が「選り好み」をして、条件の良いところにしか応募しなかったことも大きな理由だとは思いますが、事務系の転職・再就職は世の中で言われているほど恵まれた状況ではなく、良い求人には応募が殺到しているんです。

 

逆に事務系の社員を採用する企業にとっては、少し募集条件を良くするだけで、応募はまさに入れ食い状態、そして、人選は「選り取り見取り」なわけです。

なので・・・、応募してきた中から、20~30歳代の活きが良くて伸びしろのある人材を選ぶか、50歳代の先のない一丁上がりのおっさんを選ぶか、企業がどちらを採用するか、まあ、明らかですよね(笑)。

 

こんな状況だったものですから、私自身、再就職するのは難しいと実感しておりました。

実際、失業保険をもらう「実績作りの当て馬応募」を除いても、10社以上応募して、ことごとくダメ。

一度、内定は出たものの、実際にやる仕事は募集していた職種とは全然違う仕事で、それでもよければ採用しても良い、という話もあり、嬉しいどころか足元を見られたようで、とてもイヤな気分になりましたし、ね。

(もちろん、即座にお断りしました)

なので、今勤務している再就職先の会社から内定の連絡をもらったときは、

「うそ?ほんと?!」

と、すぐには信じられませんでした。

 

ということで、私は「再就職した」というよりも、「再就職できた」というのが率直な感想なんです。

 

50歳代後半で再就職した理由

前置きがながくなりましたが、いよいよ本論である「50歳代後半で再就職した理由」について記していきます。

退職してから1年間、その前の自宅勤務(待機)期間も含めて、いろいろな紆余曲折があり、自分の気持ちは「再就職するか、どうしようか」といつもブレブレだったのです。

昨年の終わりくらいまでは、どちらかと言うと再就職という「勤めに出ること」には後ろ向きで、再就職活動にも真剣に取り組んでいませんでした。

 

再就職したくない(再就職でいない)

どこかに勤めた経験のある方でしたら絶対にご理解いただけることなので、あえて書くまでもないのですが・・・、勤めに出ることって、メリットもありますが、デメリットもたくさんありますよね。

 

特にデメリットは、「宮仕え」という立場になること。

組織に拘束され、時間と行動の制約を受けつつ自分の持つソース(資源)を切り売りすることが「宮仕え」であり、時に理不尽な思いや行動を強いられ、それを我慢しなければならないと言う辛さがあります。

 

勤めている間は、このデメリットに鈍感というか、何となく当たり前のこととして受け止められる(あるいは、給料を貰う対価として割り切ることができる)ものです。

でも、一度、失業者という自由な身になると、こんな理不尽な状況は、

「いまさら、カンベンしてよ」

という気持ちになってくるんですよね。

 

それと、再就職したとしても、50歳代後半で、見知らぬ職場でゼロからの再スタートを切るのはなかなか荷が重いことです。

新しい職場環境や人間関係でストレスフルな状態に陥ることは、簡単にイメージできますからね。

元同輩たちから、こんなイヤな話も聞いていましたし・・・。

 

このように「再就職したくない」という気持ちが強まっていて、あわせて、上述のとおり、希望する会社や仕事に就くのは、とんでもなく困難なことが分かってきましたので、

こりゃあ、再就職できないな

と思うようになっていたのです。

まあ、質素な暮らしをしていれば、経済的になんとかなりそうだというのも、再就職に前向きにならなかった大きな理由なんですが・・・。

 


 

やりたいこともやり続けていたら飽きる

退職した直後は、国民年金や健康保険、失業保険の手続きやら、退職金の扱いなんかの事務的な手続きがたくさんあってゴタゴタ感はありました。

でも実態は、お昼のワイドショーを見たり、漫画を読んだり、スポーツジムに行ったり、パートに出ている嫁に成り代って、主夫として家事を担ったり。

自由気ままな毎日を過ごしていました。

 

一方、「絶対に再就職しない」と決めていたわけでもなく、失業保険を受給するためにはちゃんと就職活動を行う必要もありましたので、いくつかの転職サイトや転職エージェントに登録して、一応、毎日、求人情報はチェックし、転職アドバイザーと会ったりしていました。

そして、この間にリサーチしたり、実際に転職活動を通じて得たノウハウや経験したことは、せっかくだからとこちらのブログで書いたりしていたんです。

 

*私自身がキャリアコンサルタントの勉強をしていて学んだことや、人事部で採用や再就職のあっせんなどを担当していたときの経験、そして何より自分自身が転職者として気付いたことや行ったことをまとめています。

よろしければ、チェックしてみてください!

 

このように中途半端な就職活動を続けながらも、

やりたいことを、やりたいようにやる

自由気ままな毎日を過ごしていたのです。

 

何にも縛られることなく、やりたいことを自由にできる生活って、理想ですよね。

私自身、気楽でのほほんとした毎日を楽しんでしたのは事実です。

 

でもね、ぶっちゃけ、飽きるんですよ、こういう「やることのない自由な毎日」って。

 

「やりたいことをやれる」のは、まあ、嬉しいことなんですが、毎日続けていれば、「やりたいこと」を出来る喜びは薄れていって、そのうち、やりたいことではなくなってしまうんです。

もっというと、やりたいことではあるものの、必ず達成したい目標なんか無く、絶対やるべきとの強制力も無いと、自分に甘えが出てきて、やらなくなるんですね。

こうやって、やりたいことも、いつしか、やりたいことではなくなっていったのです。

 

出口のない不安を感じる

ある日、自分自身の毎日の生活を振り返ったときに、

「やりたいことでもやり続けていたら飽きる」

「人間、ある程度の強制力がないと、やる気を維持できず、結果、行動力が下る」

ということを、マジマジと感じました。

 

そして、特にこれといってやりたいと思えることがなくなったにも関わらず、

「やるべきことがない毎日が一生続くのか?」

と思うと、出口のない不安を感じるようになっていたのです。

 

幸か不幸か、嫁さんは私に対して一度も、

「とっとと再就職しろ!」

とは言いませんでした。

彼女が言っていたのは、

「自分が好きなようにすればいいじゃん(≒私も好きなようにするからさ)。

でも、今みたいな生活を続けてたら、すぐに老けるよ

ということだったのです。

なかなかの脅し文句ではありましたね(笑)。

 

有り余るほどの時間があって、「やりたいことをやる」とか、「自分が好きなようにする」というのは、本当に理想ではあります。

でも、実際にそれができる立場となったら、存外に難しいことなんだなと身をもって感じるようになりました。

(もしかしたら、本当にやりたいことや、自分が好きなことを出来ていなかったのかもしれませんが・・・)

 

そして、まだ身体と頭が動く間は、ある程度の外的な強制力の中で動いているほうが、いらぬことを考えなくてもいいし、何かにつけて「楽」なんじゃないかと思うようになったのです。

これが、本気で再就職しようと思った理由のひとつです。

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やっぱりお金の問題は切実

本気で再就職しようとしたもうひとつの大きな理由、というか最大の理由は、やっぱりお金の問題です。

上述のとおり、質素な暮らしをしていれば、何とかなるとの目論みはありましたが、入りがなくても出るものは出ていくので、当然ながら手持ち金は減っていきます。

 

幸い私は約1年間、失業保険を受給できましたので、ある程度の収入はありました。

でも、手持ち金は減っているし、失業保険が切れた以降、毎日、資産が大幅に目減りしていくことは明らか、そのストレスはとっても大きいだろうことは簡単にイメージできるんですよ。

 

・・・本当にねぇ、遅過ぎというか、自分でも「なめてたなぁ」と思うのですが、昨年の終わりくらいになって、ようやっと真剣に、失業保険が切れたあとのストレスと、それを避けるための収入のあり方について考えるようになったのです。

 

働かずに稼げるか?

その時に考えた選択肢は、

  • 再就職する
  • パートに出る
  • 自営・フリーランスとなる

といったもの。

 

収入的には再就職が確実ですが、実際に雇ってくれるところがあるかという大問題があります。

パートなら仕事はなくはないものの、収入は限定的で、かつ、仕事に魅力が感じられないものしか見当たりません。

自営・フリーランスは、ブログや投資で多少稼いではいるものの、本業とするのは無理があるのなぁって思いました。

 

ということで、ダメ元でも、とにかく再就職活動を真剣に行うことを一番に考えるようになったのです。

(どうしても再就職できなければ、そのときは自営・フリーランスで小銭稼ぎをするという考えは持っていましたけど)

 

転職コンサルタントの後押し

最後に、私が登録していた転職エージェントのコンサルタントの存在も、再就職できた大きな要因でした。

 

再就職活動を行う中で、何人もの転職コンサルタントの方とお会いし、担当してもらいました。

私は年齢が50歳代でしたので、担当してくれたコンサルタントは、同年代か私よりも上の人が多かったのですが、ほんと、いろんな人がいました。

 

そして、中には「ダメだこりゃ」と思える人が何人もいたんですよね。

ダメだこりゃと思えた人たちは、私が再就職活動に本気ではないことを見透かしたうえで、適当にあしらっていたのだとは思います。

だけど、中には人間としてもビジネスパーソンとしても本当にどうしようもなくレベルの低い人が何人もいましたけどね(笑)。

ぶっちゃけ、キャリアコンサルタントの資格って、バカでも簡単にとれますし、有資格者でも、仕事を知らない、会社を知らない、まともな会話ができないといった、ほんとうにレベルの低い人がいっぱいいますからね。

 

なので、転職エージェントに登録した方で、変なコンサルタントが担当になったら、ソッコーでチェンジしてもらったほうがいいですよ。

でないと、時間のムダになるばかりか、いらぬストレスを受けることになり、まともな転職活動ができなくなりますから、ね。

いや、ほんと、マジで。

 

そんな中、秋ごろに出会った一人のキャリアコンサルタントの方が、とても親身になって対応してくれたのです。

転職コンサルタントとしての経験は皆無で、資格もお持ちではなかったものの、企業での人事経験は豊富で、それ以上にビジネスパーソンとして実に優秀な方です。

詳細は割愛しますが、当初はあまり再就職に真剣でなかった私に、その方が本当に真摯に対応してくれて、ずっと後押しを続けてくれました。

そして、私にとって、人としての相性がとても良かったのですね。

 

おかげさまで、途中であきらめることなく、結果的に、自分が一番行きたいと希望したところに再就職することができました。

「変なコンサルタント」がウジャウジャいる中で、このような方にめぐり合えたことは、本当にラッキーだったな、と感謝しています。

ちなみに、その方とは今、個人的なお付き合いをさせてもらっています。

 

おわりに

たくさんの余談も含めて、長々と書き綴ってしまいましたが、以上が「50歳代後半のおっさんが、なんで再就職したのか?」という理由です。

この1年強の間に考えたことや行ったことを、思い出しながら書きました。

 

読み返してみて、我ながら「めっちゃグラグラしてるし、ぬるいことを考えてたんだなぁ」と思います。

でも、その時、その状況で考えていたことであり、あわせて、自分自身が失業者という立場になってはじめて分かったことも多々ありましたので、恥ずかしさを感じつつも正直に書いてみました。

 

参考になるようなことはあまりなかったとは思いますが、にも関わらず最後までお読みいただいたことに感謝します。

 

 

では、また。