日本年金機構の電話窓口、通称「ねんきんダイヤル」。
この「ねんきんダイヤル」は、とにかく電話がつながらないことで有名で、うまくつながっても、対応が冷たい、不親切、ひどい、と最低の評価を耳にすることの多いコールセンター?です。
実際、「ねんきんダイヤル」に電話したことがある人は、一般の企業に比べると稚拙すぎる対応に驚かれたのではないでしょうか?
先日、年金について確認したいことがあったので電話してみたら、その対応があまりにひどくて、腹が立つのを通り越して笑ってしまうということがありました。
なかなかできないとても「貴重な経験」をしましたので、私自身が実際に体験したことをまとめてみました。
アドバイスと言ってはおおげさですが、年金の関係でこれから「ねんきんダイヤル」に電話したり、日本年金機構を訪問する際に、どんな対応が待ち受けているかは、知っておいて損はないと思います。
参考にしていただければ幸いです。
日本年金機構とは
日本年金機構とは文字通り、年金を取り扱う組織です。
その前身は、役所の中でもダントツに悪名の高かった社会保険庁。
私たちの大切な老後の生活資金である年金をめちゃくちゃにしてしまった組織で、そのあまりのいい加減さゆえに社会保険庁は解体されました。
そして、管理体制をそのまま引き継いだのが日本年金機構です。
が、看板は架け替えたけど、中身(勤めている人や制度や組織風土)は変わっていないのでしょう。
そんな組織ですから、「ねんきんダイヤル」の対応がひどいというのは、妙に納得できるところです・・・。
事実、年金について確認したいことがあったので「ねんきんダイヤル」に電話したところ、噂どおり、とってもひどい対応でした。
あまりにひどい対応に腹が立って仕方がなかったのですが、オペレーターのマンガのように「作りこまれた事務的な対応」とポロっと出た本音に、怒りを通り越して笑ってしまったのです。
日本年金機構に確認したかったこと
日本年金機構に確認したかったのは、
- 私の妻の結婚前に年金に加入していたデータがすっぽり抜けているが、どうすれば修正してもらえるのか
- 修正が完了したとして、一体、いくらもらえるのか
- 私は4月以降無職(求職状態)となるが、年金の支給額にどう影響するのか
の3点。
まずは、年金ダイヤルに電話してみました。
ねんきんダイヤルの対応がひど過ぎ
私の妻のデータが抜けているのは、「年金定期便」で、何年も前から分かっていました。
はじめて年金定期便が届いたとき、「これは一大事!」と慌ててねんきんダイヤルに電話したのですが、何度かけても全くつながらなかったため、あきらめて、以降、放置していたのです。
ですが、そろそろ修正してもらおうと、私が妻に代わって電話したのです。
以下、年金ダイヤルでのやり取りです。
当方:過去、勤めていた期間の年金のデータがすっぽり抜け落ちているのですが。
相手:状況が良く分からないので、用紙を送ります。その当時のお勤め状況を、それに書いて、送り返してください。
ちなみに、その用紙をそちらに発送するのは3週間以降先となりますし、その内容をチェックして、お返事できるのは半年以上待っていただくことになります。
当方:はぁ?用紙を郵送するだけなのに、なんで3週間も時間がかかるんですか?
相手:どなた様にもそれくらいの時間をいただいています。
当方:では、データの修正はいつになるのですか?
相手:それはお答えできません。
当方:なんで?
相手:こちらでは分からないため、お答えできません。
・・・・中略(教えろ・分からない、やってくれ・できないの押し問答が繰り返される)。ねんきんダイヤルのオペレーターは、かなり上から口調で事務的に冷たく突き放そうとしてくる・・・・
しょっぱなから、ねんきんダイヤルの担当者は、かなりエラソーな口調で、つっけんどんな対応。
状況確認したり、こちらがやるべきことを聞いても、とにかく
「分からない」
「できない」
「言えない」
を繰り返すのです。
はじめのうちは、上から目線の命令口調にカチンと来ました。
次に、理由説明を求めているのに明確に答えないし、事務的な対応とは言いながら、言っていることの筋があまりにも通っていないことに、だんだんムカついてきたんです。
とはいえ、言葉使いは努めて冷静に丁寧に、こちらからの話の筋はちゃんと通すようにと、気持ちを落ち着かせながら会話しました。
(会話の内容を録音されている可能性があるので、言葉を荒げたらクレーマー扱いされて、後々、不利になるかもという心配もありましたし、ね)
あまりの対応に可笑しい半分、可哀相半分
そして、何度も、
「教えて」⇒「言えない」
「どうして?」⇒「わからない」
を繰り返していたのですが、ねんきんダイヤルの担当者のあまりに頑な態度に、おそらく「出来ないと突っぱねろ」とでも書かれたマニュアルがあるのだろうと思ったのです。
マニュアルがあるからこそ、そこに書かれている通りの事務的で冷たい回答をしているんだろうなとは分かりつつも、だけど、時々、答えに困っている様子(おそらく、自分でも無理筋の答えを言ってると分かっているのでしょう)に、だんだんと可笑しくなってきたのです(笑)。
当方:で、修正はしてもらえるのですよね?
相手:記録から抜け落ちているデータも、そのうち修正されると思いますので、それまでお待ちください。
当方:そのうちって・・・、思いますって・・・、ずいぶんとあやふやな答えですねぇ(ため息)。じゃあ、だいたいでいいので、「そのうち」とは、いつぐらいになるかだけでも教えてもらえませんか?
相手:年金が支給されるまでには反映されるはずです。
当方:あのね、年金が支給されるのって、あと10年以上先なんですよ。その間、いつ修正されるか分からないものを、ずーっと黙って待てと言うんですか?
相手:いつ修正できるか、分かりませんので・・・、今はそうとしか・・・。
当方:あ、そう。じゃあ、どこに聞けば、いつ修正されるかが分かるのですか?
相手:それも分かりません。
当方:さっきから、こちらの質問に対して「分かりません」「分かりません」ってずーっと言ってますよね?
相手:・・・
当方:しかも、「分からないこと」はどこに聞けば良いかも「分からない」んですよね?
相手:・・・
当方:じゃあ、そちらでは一体何が分かるんですか?
相手:・・・
(注・ここで相手が「分かりません」って答えてくれたら爆笑モノだったのですが、さすがにそれはありませんでしたね・笑)
当方:じゃあ、ねんきんダイヤルは一体、何の相談にのってくれてるんですか?
相手:・・・
当方:こちらの住所を聞いて、紙を送るだけの仕事なんですか?
相手:・・・
当方:さっきから、ずーっと「分かりません」とか「できません」って冷たい対応していますけど、こんな対応をしてたら、中には怒り出す人っているでしょ?
相手:お叱りの言葉を頂戴することは、多々あります。
当方:そうでしょうね~。あなたも、自分がこんな対応をされたら怒るでしょ?
相手:はい・・・。あ!!いえ・・・、そんなことは・・・。
(注・年金ダイヤルの人も思わず本音が出たようで、「はい」という返事がポロっと出てました。この瞬間、爆笑しそうになったのですが、ぐっとこらえましたよ・笑)
当方:で、そういう怒り出した人たちに対して、どうしてるんですか?
相手:・・・。ご理解いただくように説明するしか・・・。
当方:何を聞いても「分かりません」「できません」という返事ばっかりで、何一つ説明していないじゃないですか。なのに、どうやって理解しろというんですか?
相手:・・・。
当方:それって、「理解」させているんじゃなくて、「諦め」させてるんじゃないですか?
相手:・・・。
当方:年金ダイヤルの担当の方って、年金機構で決めたルール通りに対応されてるんでしょうけどねぇ・・・、こんな対応をさせられて、自分の責任ではないことに文句を言われるんじゃぁ、つらいでしょ?あなたも、本当に大変ですねぇ。
相手:いえ、すみません。
・・・・・・
このように電話はしたものの、結局、何の解決にもなりませんでした。
ただ、ねんきんダイヤルの担当者のあまりに頑なな対応から、上司から「突き放した対応をせよ」と指導されているのは間違いないと思いましたね。
ねんきんダイヤルに電話していた時間は15分くらいでしょうか。
はじめのうちは、のらりくらりと「分かりません。できません」との対応に腹立たしい気持ちでいっぱいでしたが、途中から、可笑しい半分、可哀想半分という思いになりました。
社会保険庁時代にずさんなことをやったために発生した「消えた年金問題」、あやふやな記憶ですが数百万人の年金がメチャクチャになっているとの話を聞いたことがあります・・・。
実際に、問題になっている数があまりに多すぎるので事務処理が全然進んでおらず、年金受給間際の人の突合作業でいっぱいいっぱいなのでしょう。
なので、「いつになるか分からない」としか答えようがないのだろうなとも思いました。
年金事務所でサクッと解決!
ねんきんダイヤルでいくら話をしたところでラチがあかないので、午後、年金事務所に行って聞くことにしました。
1時間ほど待ったあと、ちょっとしたブースに通され、社会保険労務士の資格をもった人が対応してくれました。
(ちなみに、この人、日本年金機構の職員ではないとのことです)
最初に、
「妻が勤めていた期間の年金が抜けている。勤め先の会社はXXです」
というと、
「ちょっと、待ってくださいね~」
と、目の前でPCをいじり始め、
「あ、あったあった。こちらですね」
と、すぐに抜けていた期間のデータを見つけてくれたのです。
そして、
「じゃあ、データを合わせておきますね」
と言って、その場でデータ修正が完了しました。
先ほどの年金ダイヤルの人が、
「どうなっているか、どこでやっているか、いつできるのか、分からない」
と言っていたことが、ものの5分も経たないうちに出来てしまったのです。
さすがに、これには唖然としましたね・・・。
あれだけ、できない・分からないを繰り返していた、あの年金ダイヤルでの会話は、一体、何だったんだろうか、と。
さらに、3つの確認項目の2番目、「妻の年金は、いくらもらえるか」も、その場でサクッとはじき出してもらえました。
これまで届いていた「年金定期便」では、「****円」と受給資格無しの扱いだったのが、ちゃんともらえることがわかり一安心しました。
年金定期便の記載事項に落とし穴があった
<ご注意:年金定期便の書式が変わっており、以下の情報は古いものになっています>
そして、3つの確認項目の3番目、年金支給額です。
私は、この4月以降、厚生年金から国民年金に切り替えるのですが、その際、年金はどうなるのか、これまたサクッと計算してもらったのです。
すると、びっくりするくらい減額されるというのが分かりました・・・。
この写真は、「年金定期便」の内側です。
①のところが国民年金に相当する年間支給額、②のところには厚生年金に相当する額が記載されています。
毎年、年金保険料を払っているから積立金が増えているので、①も②も年毎に増えていくものだと思っていました。
ところが、落とし穴があったのです。
4月に厚生年金から国民年金に切り替えたら、①は変わらないけれど、②が印字されている額よりも減額されるのです。
その理由が③です。
ここには、
「・老齢年金の受取見込額は、現在の加入条件で60歳まで継続して加入したものと仮定して計算しています」
と書かれています。
つまり、①も②も、現在の保険料をずーっと払い続けて初めてもらえる額ということ。
逆に、給料が下って保険料も下るとこれよりも受給額は少なくなるのですね。
給料が上がり続けている人は、これからも①②は上がります。
でも、給料やボーナスが下っている人や、厚生年金をやめる人は、現在、年金受取見込額に記載されている額はもらえない可能性が高いのです。
50代の人はもちろん、40代でも給料が頭打ちとなっている人は、
「実際にもらえる年金は、「年金定期便」に書かれている受給額よりもずっと低くなる可能性がある」
ことを是非、念頭に入れておいてください。
でないと、私みたいにショックを受けることになりますよ(笑)。
年金で相談事があったら直接、年金事務所に行って聞く
年金がらみで、ムカついたり可笑しくなったり、ワケが分からん対応をされた直後に、サクッと解決されたり、そして、妻がしっかりと年金をもらえることが分かって安心する一方、私の年金が少なくなることが分かって落ち込んだりと、年金に振り回された一日でした。
しかし、年金ダイヤルは現実的にはほとんど機能しておらず、電話してもムダで終わる(かつ、ストレスが溜まる)可能性が高いです。
なので、アドバイスとして言えるのは、
「年金で相談事があったら、直接、年金事務所に行って聞く」
ということ。
今後、何かの必要がありましたら、年金ダイヤルに電話してムダな時間を使うのではなく、直接、年金事務所に行くことをおすすめします。
では、また。