新入社員の方へ。
新入社員研修も佳境に入ってきたと言う方、大勢いらっしゃると思います。
楽しい、おもしろい、役に立つ、怖い、眠い、しんどい、きつい。
いろいろな感想を持ちながら、毎日、研修を受けているのではないでしょうか?
できるだけ前向きの姿勢で多くのことを学び、そして、少しでも楽しく過ごせられたらいいですよね。
それと、新入社員研修は入社同期が横一線で集まれる数少ない機会のひとつですので、一人でも多くの「仲良し」をつくることをおすすめします。
あと、新入社員研修では、毎日、研修日誌を書いていることでしょうが、くれぐれも手を抜いたり、ふざけたことを書かないようにしてくださいね。
いやらしい話ですが、この研修日誌は人事部の評価対象になるのとともに、あなたの配属先の上司の手元にも届きます。
なので適当なことを書いていたり、おちゃらけたりしていると、あとでエライ目にあいますよ。
初めて職場に配属されるときにどうすべきかはこちらの記事をご覧ください。
新入社員研修の過ごし方や新しい職場でやるべきこと、歓迎会での立ち振る舞いなどが分かります。
関連記事 新入社員 職場に配属されたら絶対にやるべき7つのこと
ところで、新入社員研修のプログラムはいかがでしょうか?
難しい?簡単?厳しい?ゆるい?眠い?きつい?
会社によっていろいろだと思いますが、今、あなたが受けているのは、まさか「地獄の特訓」のようなバカげた研修ではないですよね?
新入社員研修で行う「地獄の特訓」
私には何人か研修講師の仕事をしている知り合いがいます。
彼らにとって新入社員が入社してくる4月は、まさに掻き入れ時で、研修の仕事がビッシリ、中には複数の会社の導入研修を掛け持ちでこなしている人もいます。
そんな友人の一人から聞いた話ですが、会社によっては非常に(無意味に)厳しい新入社員研修を行っているところがあるそうなのです。
どのような研修か、具体的には、
- 3歩以上は歩かない(3歩以上の移動は駆け足)
- 毎朝、早朝に起床して、ラジオ体操&ランニング&行進訓練
- ハッキリしない態度やネガティブな言葉を使ったら、講師から徹底的に罵倒される
- ビジネス街に行って100人の名刺を集める(初対面の人に名刺交換をお願いし続ける)
- 人通りの多い通りで、一人で大声で延々と歌を歌う
- 自分がこれまでいかにダメ人間だったかを皆の前で大声で話す
- グループに分かれて、お互いの悪い点をとことんまで罵り合う
- 徹底的な自己否定の反省文を毎日書かされ、教官のOKがでるまで何度でも書き直しをさせられる
- 最終日は、ペットボトルの水と地図だけで、山中を夜通しオリエンテーリングする
・・・
と言った内容。
複数の会社の話を聞いたので、ごちゃ混ぜになっていますが、その多くが軍隊ばりの内容でした。
この話を聞いたときは、
「うそ~?さすがに、今どき、そんなことをやっている会社ってないでしょ?」
と聞いたのですが、驚くことに「ある」んだそうです。
なぜ「地獄の特訓」を行うのか?
話をしてくれた友人は、こういった地獄の研修の講師をやらないか?との打診を何度か受けたことがあるのです。
もちろん、即座にお断りしたとのこと。
本人の講師としてのポリシーに合わない、というか、そもそも、そんな研修の講師を担う自信がなかったから、だそうです。
ギャラは非常に良かったそうですけど。
さて、ここで、疑問がひとつ。
肉体的にも精神的にもハード過ぎる「地獄の特訓」を、なぜ新入社員研修で行うのか?
ということ。
これも研修講師の友人に聞いたところ、大きく2つの理由を教えてもらいました。
- ひとつはオーナー社長の個人的な趣味
- もうひとつは新入社員のふるい落とし
この2つの理由について、以下、具体的に見ていきましょう。
社長の個人的な趣味
ひとつめのオーナー社長の個人的な趣味のケースは、社長が「社員は厳しく育てるもの」という信念を持っていて、しかもこれまで、「地獄の特訓」を通じて社員に根性を植え付けられたと確信している、というもの。
こんな発想だからでしょう、やたらに「軍隊」的なカリキュラムが導入されているのですが、幹部社員が内心、「あまり意味が無いから、もう止めた方が良い」と思っていても、社長に対してなかなか口には出せないし、仮にご注進しても社長は聞く耳を持たないのでしょうね。
なので、時代錯誤も甚だしいバカげた研修を、今になっても嬉々として続けているのでしょう。
社員のふるい落とし
2つ目の理由の「社員のふるい落とし」です。
早朝から深夜まで、精神的にも肉体的にも追い込まれる「地獄の特訓」は、会社による洗脳というか、むしろ、拷問に近いですよね。
ものすごく厳しい内容ですので、当然、脱落していく新入社員もいるわけです。
せっかく入社した会社なのに、こんなバカげたことで辞めていくのは、新入社員本人にとって不幸ですし、会社にとっても大変なロスだと思いますよね。
ところが会社としては、
「地獄の特訓」程度で辞めるような根性なしは、どうせ仕事をさせてもロクなことが出来ない
だから無駄な給料を払う前に辞めてもらったほうが良い
との考え方だそうです。
これらは、私が友人から聞いた話なので、新入社員研修で「地獄の特訓」を行っている全ての会社が同じ考えではないでしょう。
ただ、事実として、このような考え方をしている会社がある(特にバカな信念を持ったオーナー会社)、と言うことです。
「地獄の特訓」の効果はいかに?
では、この「地獄の特訓」には、やるだけの効果はあるのでしょうか?
深夜ぶっとおしでの山中オリエンテーリングは、その時点での体力勝負という側面はあるものの、それ以外のカリキュラムは精神的に追い込まれるものばかりです。
なので、これらに耐え切れたら、めちゃくちゃ根性がつくのは間違いないでしょう。
社会の厳しさを、おそらく実態以上に植えつけられるわけですから、それまでの学生気分は一気に吹っ飛び、強力な企業戦士に育っていくはず。
なので、「地獄の特訓」をやる効果は一定程度はある、と言えますよね。
でも、この「地獄の特訓」では、会社が求めるレベルの根性(=体力およびメンタル的な図太さ)がないと、どんなに優秀な頭脳や専門的能力、高いコミュニケーション能力を持っていてもふるい落とされてしまいます。
ここに多大なロスが発生しています。
そもそも仕事って根性だけで何とかなるものではありません。
まして、人の精神や人格を破壊しかねない「地獄の特訓」を行うこと、それを、社会に出たばかりの新入社員に研修として行うことは、絶対に良くないと考えますが、いかがでしょうか?
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そんな会社に入社する奴はバカじゃないのか?
毎日、実社会で厳しい局面に対峙し、それを乗り越えている人からすれば、
「何が『地獄の特訓』だ?!この程度のことを我慢できないようなぬるい奴が、実際の社会で通用する訳がないだろ!」
と思われるかもです。
まぁ、そう言われたら、「あぁ、そうですか」としか返しようがありません。
一方、
「そんな厳しいことをする会社だってことは、入社前から分かっていたハズだろ?なのに入社するなんて、バカじゃないのか?」
と思われた方もいるかもしれません。
この意見に対しては、「そんなことはない」と言いたいですね。
すでに社会に出ている人であれば、その会社を訪問すると、会社の社風なり何なりを感じるものですが、会社そのものを知らない学生だと、分からないことだらけのはず。
入社前の説明で「ウチは厳しいぞ!」と言われていても、本人はきっと乗り切れるとの自信があったでしょう。
まして、内定がその会社からしかもらえていなければ、自信は無くても頑張って乗り切ろう、と決心するしかありません。
ですから、このような極端に厳しい会社に入社してしまい、適性が合わなかったというのは不幸以外の何者でもなく、それを「バカ」という言葉で片付けてしまうのは、いかがかと思います。
おわりに
以上、新入社員研修で「地獄の特訓」を行うことについて、思うことを記しました。
おそらく、このような新入社員研修を行っている会社は超レアケースでしょう。
でも、新入社員の方で、もし、自分の会社の新入社員研修がメチャクチャハードだったら、「絶対に無理しない」ことを強く進言します。
無理しすぎると、自分が壊れてしまいますからね。
一方、新入社員研修がちょっとハードだなって思っている方は、頑張って喰らいついてくださいね。
会社で仕事を始めたら、もっともっとハードなことがたくさん待っていますから。
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では、また。