国民健康保険の保険料って、こんなに高いの?
ウチは家族も多いし、とても払えないよ~。
もう少し安くできないかなぁ?
会社を退職した方で、国民健康保険料を軽減してもらえる方法をご紹介します!
会社を退職したあと、健康保険をどうするか?
家族に勤めに出ている人がいる方でしたら、その人の被扶養者になるのがいちばん安上がりです。
でも、誰も勤めに出ている人がいない場合は、被扶養者にはなれませんので、それまで勤めていた会社の健康保険を「任意継続」とするか、市区町村が運営している「国民健康保険」に入るか、いずれかを選ぶことになります。
会社勤めをしていたときは、保険料の半分を会社が負担してくれてましたが、退職すると残念ながら全額、自分で支払わなければなりません。
なので、「任意継続」とした場合、健康保険料はおよそ2倍に跳ね上がります。
一方、「国民健康保険」には、扶養という考え方がないため、家族それぞれで入ることになり、人数が多いほど保険料は高くなります(保険料の計算方法は、いろいろなパターンがありますが、基本的には”頭数”で決まるんです)。
健康保険を「任意継続」とするか、「国民健康保険」に加入するか、どちらの方が安くなるのかは、人それぞれで、どちらが有利かは一概には言えないんです。
ただ、退職したときの状況によって、国民健康保険の保険料がグッと軽減されることもあるのです。
それは、失業保険で
- 特定受給資格者
- 特定理由離職者
となる方々です。
もし、あなたが、上のどちらかに当てはまるなら、国民健康保険の保険料をぐっとお安くできますよ!
国民健康保険料の軽減措置
国民健康保険料が軽減される人は、失業保険で
- 特定受給資格者
- 特定理由離職者
である方々です。
「特定受給資格者」は、会社を辞めたくなかったのに、会社の都合で退職せざるをえなかった人。
そして、「特定理由離職者」は、自己都合での退職だけど、一定の「どうしようもない」という理由がある人。
このような方々は、仕方なく退職せざるをえなかったわけですので、できるだけ経済的な負担を軽くするということから、国民健康保険においても、保険料が軽減される措置を受けられるんです。
国民健康保険料の軽減方法
国民健康保険の保険料は、各市区町村によって算出方法は異なりますが、一般的には以下の区分で計算されます。
<国民健康保険の一般的な計算方法>
- 所得に応じて算出される「所得割総額」
- 固定資産に応じて算出される「資産割総額」
- 世帯内の被保険者一人につき一定額を賦課する「被保険者均等割総額」
- 世帯に対して一定額を賦課する「世帯別平等割総額」
このうち、所得に応じて算出される「所得割総額」が、前年給与所得の「30/100」とみなされます。
もう少し分かりやすく書くと、健康保険料を計算するときの元となるお金を1/3以下にしてもらえるので、その分、保険料は安くなるんです。
これはとってもありがたいお話ですね。
軽減される期間
保険料の軽減措置が適用される期間は、
退職の翌日 ~ 翌年度末
までとなります。
3月末に退職した人だったら、最大2年間、安い保険料で済むんです。
もちろん、途中で再就職などで国民健康保険から脱退する場合は、期間前でも終了となります。
軽減措置申請での問題点
このように、「特定受給資格者」や「特定理由離職者」に限って適用される国民健康保険の保険料軽減措置ですが・・・、実は2つ問題点があります。
それは、
- 「任意継続」よりも高い場合もある
- 「任意継続」の申請期間は、退職後14日と期間が短い
ということ。
特に「「任意継続」の申請期間は、退職後14日と期間が短い」は、やり方を間違えると大損しかねないという大きな問題なんです。
「任意継続」より高くつくこともある
軽減措置を受けても、保険料が「任意継続」よりも高くなってしまうケースがあります。
この軽減措置は、前年の給与所得にかかる部分が対象となりますので、年収が多い人ほど有利であり、年収が低い人は、あまり恩恵がない場合もあります。
さらに、国民健康保険料の算出は、上述のとおり「人数ごとに払う」ため、家族の多い人は所得部分の優遇を受けても、人によっては(あるいは、住んでいる市区町村によっては)「任意継続」の保険料より高くつくこともありえるんです。
失業保険の認定と任意継続の申請にタイムラグがある
国民健康保険の保険料を軽減してもらえるのは、「特定受給資格者」か「特定理由離職者」という方であり、自分がこれらに該当するかどうかは、「離職票」を持ってハローワークを訪問しないとわかりません。
そして、そのタイミングは遅くなると、退職してからおよそ3週間後にまでずれ込んでしまうケースもあります。
一方、これまで勤務していた会社で健康保険の任意継続を行うためには、通常、14日以内に申請する必要があります。
「自分は、特定受給資格者となるはずだから、国民健康保険の軽減措置を受ける」
と「任意継続」の申請を行わずにいたところ、「特定受給資格者」等になれなかった、と言う場合がありえます。
「退職の理由なんか、あらかじめわかってるんだから、そんなバカなことはないだろ?」
って思われたかもしれませんね。
でも、会社によっては「特定受給資格者」を出すことを、すごくイヤがる会社があるんです。
なので、世の中には、本人は「特定受給資格者」か「特定理由離職者」だって思っていたのに、「ただの自己都合退職」だったというケースって、けっこう、あるんですよ。
もし、会社が「自己都合退職」だと主張し、ハローワークも「そのとおり」と認定してしまったら、国民健康保険の軽減措置は受けられません。
また、「任意継続」は、時間切れで受け付けてくれません。
結果、一般の国民健康保険に入るしか手立てがありませんが、その保険料が「任意継続」に比べて、ものすごく高かったら・・・。
かなり、悲惨なことですよね。
任意継続と軽減措置の2段構えで
このようなタイムラグによる「損」を防ぐためには、とにかく、「任意継続」の手続きをしておくことが本当に大切です。
そのうえで「特定受給資格者」等が確定すれば、国民健康保険の保険料の軽減措置を受けると、最悪のケースは避けられます。
あとは、「任意継続」の退会申請をするとOKです。
この手続きが、退職した翌日と同じ月内で完結すれば、「任意継続」の保険料は、支払わなくて済みます。
*私が退職したとき、この2段構えの手続きを行いました。
「任意継続」を退会するとき、保険料はどうなるか問い合わせたら、
「請求書は届くけれど、保険料は振り込まずに放置してください。そうすると、保険料未納で自動的に退会扱いになります」
と言われました。
なんだか、「踏み倒した」みたいで、あまり気分は良くなかったのですが・・・、こういった対応をする人はたくさんいるため、保険担当の人は慣れっこでしたね。
ちなみに、この対応は、国民健康保険の軽減措置を受けた保険料のほうが、荷に継続の保険料よりも低いときの話です。
逆の場合は、もちろん「任意継続」ですよね。
おわりに
以上のように、「特定受給資格者」か「特定理由離職者」での退職となったら、国民健康保険の保険料は、軽減される場合があります。
その際も、必ず市区町村に保険料がいくらになるか確認のうえ、「任意継続」とするか、「国民健康保険の軽減措置」を受けるか、判断するとよいでしょう。
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