失業保険をもらっている間に再就職が決まったら、残された期間の失業保険はどうなるのか?
再就職先が早く決まるのは良いことなんだけど、失業状態でなくなるため失業保険はもらえなくなります。
もらえるはずだった失業保険のことを考えると、何となく損した気分になりますよね?
でも、大丈夫!
実は失業保険受給中に再就職が決まったら「お金がもらえる」という、何ともありがたい制度があるんですよ!
それは「再就職手当」と「就業手当」と呼ばれるもの。
こちらでは「再就職手当」と「就業手当」について解説していきます。
失業者が再就職したらもらえる「再就職手当」「就業手当」
失業保険をもらっている間は、
「とりあえず、お金が入ってきてるから」
と就職活動を本気で行わなかったり、
「もらえるものをもらい切らないと損」
と考える人がいても不思議ではないですよね。
一方、ハローワークは、失業中の人に1日でも早く再就職してもらうことが使命。
そこで、失業保険の所定給付日数を残した状態でも、ある一定の条件を満たして再就職すれば、残りの失業保険の一部が支給される制度が設けられています。
失業保険をもらっている間に再就職がきまったらもらえるお金(手当)として、
- 再就職手当
- 就業手当
があるんです。
再就職手当とは
再就職手当とは、「就職した場合」または「事業を開始した場合」にもらえる手当です。
再就職手当がもらえる要件
再就職手当をもらうには、
就職日の前日までの支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
とともに、以下の要件をすべて満たす必要があります。
就職した場合
- 1年以上の雇用されること
- 採用の内定が「受給資格決定日」以降であること
- 7日間の「待機」期間が経過していること
- 離職前の会社、関連会社ではないこと
- 過去3年以内に再就職手当などを受けていないこと
- 雇用保険の対象者となること
- 「給付制限」を受けている人で、待機満了後の1ヶ月以内の場合、許可・届出のある職業紹介事業者からの紹介であること
事業を開始した場合
- 事業の開始により自立できると認められること
- 「待機」が経過した後に、事業を開始したこと
- 「給付制限」を受けている人は、待機の7日間と最初の1ヶ月が経過した後に、事業を開始したこと
- 過去3年以内に再就職手当などを受けていないこと
再就職手当で支給される金額
再就職手当で支給される金額は、以下の計算式で求められます。
なお、所定給付日数の残りが3分の2か3分の1かで計算式は変わります。
所定給付日数の残りが3分の2以上ある人
残りの所定給付日数 ×0.7× 基本手当日額
所定給付日数の残りが3分の1以上ある人
残りの所定給付日数 ×0.6 × 基本手当日額
ただし、基本手当日額には上限5,805円の上限があります。
(60歳以上65歳未満は4,707円)
基本手当日額がアッパーの7,775円もらっている人は、上限の5,805円が適用され、その70%である4,063円が残りの日数分もらえるということです。
この額を十分と思うか、少ないと思うか・・・、なんとも微妙な設定ですね。
早く再就職したい人にとってはありがたい制度ですが、「のんびりでいいや」と考えている人にとっては、あまり魅力が感じられないかもしれません。
就業手当とは
1年以内の短期的な職業についた人に支給される手当です。
雇用契約や業務委託、請負も対象になります。
就業手当がもらえる要件
就業手当がもらえるのは、以下の5つの要件をすべて満たした人です。
- 所定給付日数が3分の1以上かつ45日以上残っている
- 採用の内定が「受給資格決定日」以降であること
- 7日間の「待機」期間が経過していること
- 離職前の会社、関連会社ではないこと
- 「給付制限」を受けている人で、待機満了後の1ヶ月以内の場合、許可・届出のある職業紹介事業者からの紹介であること
就業職手当で支給される金額
就業職手当で支給される金額は、以下の計算式のとおりです。
残りの所定給付日数 ×0.3× 基本手当日額
ただし、基本手当日額には上限5,805円の上限があります。
(60歳以上65歳未満は4,707円)
再就職手当と就業手当の違い
再就職手当と就業手当、同じような名前ですが、もらえる金額は全く違うんですよね。
両者の違いは、
- 再就職手当・・・1年を超える安定した職業
- 就業手当 ・・・1年以内の短期的な職業
だといえます。
ハローワークとしては、やはり、長期で安定した就職を望んでいるため、再就職手当のほうが手厚くなっているのでしょう。
その他のもらえるお金
再就職手当や就業手当以外にも、ある条件が満たされるともらえるお金があります。
常用就職支度手当
障碍者等の就職が困難な人や45歳以上で再就職援助計画等の対象となっている人
高年齢者雇用継続給付金
60歳以上の人で、
- 1年以上の雇用が見込める
- 所定給付日数が100日以上残っている
- 再就職先の賃金が、賃金日額30日分の75%未満
である場合に支給されます。
失業保険を受給中に再就職が決まったら
ハローワークに就職の届出をする
失業保険をもらっている間に再就職先が決まったら、まずはハローワークに就職の届出を行いましょう。
就職の届出は、必ず就職日の前日までに済ませてください。
そうでないと、
「失業保険を不正受給してたんじゃないか」
と勘ぐられてしまいますので。
もし、就職日前日までにハローワークに行けない場合は、電話で大丈夫ですので、ハローワークに相談してください。
再就職先から採用証明書をもらう
ハローワークに再就職の連絡が済んだら、次は再就職先から「採用証明書」をもらいます。
この「採用証明書」は、ハローワークからもらった「雇用保険受給資格者のしおり」の後ろのほうに印刷されています。
(会社によっては、自前の書式で発行してくれるケースもあるみたいです)
採用日までの失業保険をもらう
再就職がいつ決まったのかに関わらず、失業保険は、実際に働き始める日(採用される日)の前日まで支給されます。
なので、失業認定日には必ずハローワークに行って、受給手続きをしましょう。
また、失業認定日が採用日以後の場合は、その前日までにハローワークに行って、「採用証明書」、「雇用保険需給資格者証」、「失業認定申告書」を提出します。
再就職手当の申請をする
上で書いている支給要件を満たしていれば、再就職手当や就業手当などが支給されますので、その申請を行いましょう。
申請の期限は、再就職した日の翌日から1か月以内で、ハローワークで審査がありますので、実際に支給されるのは、再就職してから約3か月後となります。
ちなみに、支給が決まるまでに再就職先を退職していると、再就職手当は受け取れませんので念のため。
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