会社を辞めるとき「健康保険は任意継続にしますか?」って聞かれたんだけど、そもそも「任意継続」って何?
会社を辞めるとき、人事の担当から聞かれる「健康保険は任意継続にしますか?」という質問。
・・・
意味が分からない、と言うか、そもそも「任意」って言葉自体、なんだか小難しい感じがして、ちょっと引いてしまいますよね。
さて、この「任意」という言葉は、「本人の意思に任せる」ということ。
なので、「健康保険の任意継続」とは、それまで勤務していた会社の健康保険に、退職後も「継続して加入したいのだったら、続けてもいいよ」という制度なんです。
会社を退職した経験がある方だったら、よく分かると思いますが、とにかく、やたらめったらメンドくさいことがたくさんあって、いい加減イヤになってしまいます。
そんな中、健康保険はこれまで通りでOKなのだったら、とってもありがたいと思いますよね。
でも!そうそうウマい話ではないんですよね・・・。
健康保険の任意継続の条件等
退職後も引き続き会社の健康保険に継続して加入できる「任意継続」。
これが認められる条件等は以下のとおりです。
条件
- 継続2ヶ月以上の被保険者期間がある
手続き期限
- 退職した日から20日以内
手続き場所
- 協会けんぽの都道府県支部や各社会保険組合の窓口(郵送も可)
必要書類
- 健康保険任意継続被保険者資格取得申出書
※被扶養者がいる場合は、健康保険被扶養者届欄にも記入が必要
加入期間
- 最大2年間
このように任意継続する条件等は、ほとんどあってないような軽いもの。
唯一、加入期間の上限が最大で2年間というのが、少しひっかかるところかもしれませんね。
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任意継続にすると保険料はいくら?
任意継続する場合の最大の問題は保険料です。
基本的に保険料は、退職した時点で払っていた保険料の約2倍になると考えて良いでしょう。
健康保険の保険料は、ある期間の給料をもとに「標準報酬月額」が決められ、それをベースに算定されます。
ほとんどの方は1年で給料が大きく変わることはないので、退職時点で適用される「標準報酬月額」は、退職直前のとほぼ同じ。
なので、支払うべき保険料もほぼ同じと考えて良いです。
現役の会社員だと、保険料は「労使折半」といって、半分は本人、残り半分は会社が負担しています。
しかし、退職すると、会社は保険料を負担してくれません。なので、全額、自分で負担することになります。
つまり、任意継続した場合、これまで支払っていた保険料の約2倍の金額を負担することになるのです。
毎月、15,000円の天引きだった健康保険料が、会社を辞めたとたん、倍の30,000円を払えと言われたら・・・。
けっこうなインパクトがありますよね。
ということで、「任意継続」という制度自体は、とてもありがたいものなんですが、個人の経済的な負担感は大きいものがあります。
そして、人によっては市区町村が運営している「国民健康保険」に加入するほうが、保険料がお安くすむケースもあるんです。
なかなか、ウマい話はない、ということですね。
ちなみに「標準報酬月額」は毎年見直されるため、失業保険をもらいつつ、再就職をしなかった場合は、「標準報酬月額」は大きく下りますので、翌年の保険料も下ることになります。
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