「なぜ山に登るのか?」
「そこに山があるから」という有名なセリフは、人類で初めてエベレスト登山に成功したジョージ・マロリーという登山家言葉です。
#このセリフ、一説によると、マロリーは何度も何度も「なぜ山に登るのか?」と聞かれめんどーくさくなっていて、適当に答えたものという話もあります・・・。
山登りが好きな人は、この回答が「わかる!」、そうでない人は「???」となるようです。
登山に限らず、どんなことでも、いくら言葉で「いいよ!」と説明されても、本当にその良さを理解するのは難しいですよね。
そして、何となく理解した気にはなれても、本当に理解出来ているか?という疑問は残ります。
実際に自分でやってみて、その良さを自分が体感したかどうか、これが一番大きい、実体験に勝るものはない、と言うことでしょうね。
登山で得られるもの
木々の繁った山道を歩き、汗をかき、へとへとになりながらも頂上に到着すると、本当に爽快な気分になれます。
家にいても、次はどこに行こうとワクワクしながら計画を立て、道具を揃えていき、週末の天気を気にするようになりました。毎日、下半身の筋トレを怠りません。
そして、登る山もだんだんと高い山、険しい山へと変わっていきます。それまでと同じような山だと満足出来なくなっていくのです。
出かける先は遠く、リュックは重くなります。現地での歩行距離は長く、道は険しくなります。雷やヒョウに出くわし、真夏でも寒さのあまりダウンジャケットを着込む。崖っぷちを横歩きしたり、よじ登ったり。何度か危ない思いも経験します。
このあたりが、「なんで、そんな思いをしてまで山に登るの?バカじゃないの?」って思われるゆえんでしょうね。
でも、こうやって苦労しながらも、登山中は途中で何度も引き返そうと思いながらも、目標地点(それは主に山の頂上なのですが)に到達したとき、その達成感たるや何とも言えぬ大きいものがあるのです。
苦労した分だけ、達成感は大きいし、得られる爽快感も大きいのです。
登山とは、もしかしたらマゾヒズムの最たるものかもしれません。
そして、登山には仕事と共通するポイントがあるのです。
仕事と登山の共通点
仕事と登山の共通点について、思うことを3点、書いてみます。
1明確な目標があること
登山には明確な目標があります。ほとんどが山頂に立つことです。
まず、目標となる山に対して、自分の体力や技量がそれを達成するのに十分かどうか「分析」します。場合によっては、目標変更もあり、ですね。
つぎに、この目標を達成するために、いつ出発するか、どのルートにするか、どれくらい時間をかけるかといった登山「計画」を立てます。
さらに、どんな装備が必要かを検討し、それらを「準備」をします。
そして、天候はどうか、予定している登山ルートは実際に通れるか、などの「情報収集」を行います。
当日、いよいよ出発、「行動」をおこします。
しかし、登り始めても、予定通りに進めているか、体力の消耗度合いは問題ないか、などの「確認」を行います。これは登頂後も、下山するまで続きます。
「 」内に書いている登山のプロセス、これらはすべて仕事を行ううえで必要なプロセスでもあります。
まさにPDCAを細分化したものです。
それともうひとつ大切なこと、登山も仕事も目標がないと気持ちが続きません。
道中、へとへとになってても、てっぺんにたどり着きたいって目標があるから、次の一歩を前に踏み出せます。そして、頂上が見えた瞬間、俄然、元気が出てくるものです。
2困難が伴うこと
苦労をし、困難であればあるほど、出来たときの達成感は大きいものです。
険しいルート、重い荷物、崩れる天気、沈む太陽・・・。がけ崩れや増水のためルートを迂回したり、あげく道に迷ったり・・・。こんな困難を、苦労して乗り越え山頂にたどり着く。
仕事でも、あらかじめ楽に出来るとわかっていることは、やっていてもつまらないし、そもそも目標にはしないでしょう。
頑張ったら出来そうだ、でも、何かの条件が悪くなると出来ないかもしれない、それくらいが目標として丁度良いのです。
3自分の意思で自分でやること
登山は、プロでない限り、他人に頼まれて登ることはまずありません。
一方、仕事は自分で考えて自分でやることもありますが、会社の方針に基づいて上司から命令されてやる、という場合が圧倒的に多いですよね。
問題は、このときに「やらされている」と思うか、「自分の意志でやる」と思えるか、です。
どんなことでも最後に意思決定しているのは自分だということを忘れない。
「やらない」という選択肢があったけど、それを選択しなかったわけですから。
そうでないと「やらされ感」だけを持ち、最後まで「他人の仕事」という発想になるのです。
仕事と登山に共通する3つのポイントは、なにも仕事や山登りに限ったことではなく、様々なことに当てはまります。
こう考えると、 3つのポイントはまさに”人生そのもの”で重要なことと言えるのですが、大仰過ぎるでしょうか・・・。
では、また。