会社勤めをはじめると、ビジネスパーソンとして日々、成長をしていきますが、この成長には、共通するステップがあります。
入社当初
まず、入社してからしばらくの間は、とにかく学ぶことが多いです。
そのため、毎日、四苦八苦しますが、おそらく、坂道を上るように絶え間なく、しかし、本人はほとんど自覚することなく成長しています。
そして、その成長にあわせて、ちょっと重めの仕事を任されるといったチャンスが与えられます。
それをクリアできれば、さらに重い仕事。
これが繰り返されると、違う業務に担当替えになる、あるいは、違う部署に異動する、といった流れで、ここまでは比較的順調に進む人が多いですね。
足踏み状態
ところが、そうこうしていると、これまでと同じような努力では成果を出せなくなるときが来ます。いわば、踊り場で足踏みをしている状態。
ちょっとやってみたものの上手に出来ない、思うような結果を出せずやり方に自信が持てない、何から手を出せばよいか分からず悩んでしまう、などと言った状態です。
この状態になると、まず、仕事が面白くなくなります。
そして、周りからの視線を冷たく感じるようになるのです。
おまけに、同期の中で、一歩二歩、先を越していく奴が出てきたりするので、「俺って、ダメじゃん」と自己嫌悪に陥ることも。
こうなると、毎日がつらいですよね。
会社に行くのがイヤだ、仕事をするのがイヤだって思って当然です。
でも、この時の気持ちの持ちようが、イヤだと思って逃げるのか、あるいは、なんとか立ち向かおうとするのかで、その後を大きく左右するのです。
踊り場とは
この踊り場、客観的に見ると、自力に対して少々、負荷の大きすぎる仕事に直面しているとき、ということでしょう。
そして、例えれば、これまでずっと上って来てたのは平坦な坂道だったのに、それが急に段差の大きな階段に変わった、と言ったところでしょうか。
もし、仕事でどうもうまくいかない毎日が続いていたら、
- 坂道が階段に変わったのは、自分が成長してきた証
- この段を上ることは、これまでの一歩とは全く違う大きな一歩
- 今出来ないのは、自分自身の不足点を見出す機会
という風にポジティブに捉えてみてはいかがでしょうか?
そうすると、立ち向かおうという気持ちが持てますよ。
分からないことは聞く
さて、気持ちは持てました。でも、それだけでは状況は変わりません。
仕事の壁は、まだ、目の前に立ちふさがったままですから。
そのときは、もう遠慮は捨てて、開き直って先輩や上司に聞きましょう。
このステップでは、上司や先輩たちは、本人の成長のためにあえて口出ししない(口を出していても、ほんのヒントぐらい)、ということが多いのです。
逆に言えば、いつ聞きに来るか、と待ち構えているのですね。
なので、「もう良い頃合い」と考えて、素直に聞きましょう。決して恥ずかしいと思わないで。
「いやいや、もう聞いてるけど、ちゃんと教えてくれないんだよ」
という人がいるかもしれません。
それは十中八九、聞き方が悪いか、本人がまだ、とことんやっていないからです。
(十中一二は、教え方が悪い、もしくは、いじわるされてるから、かもですが・・・)
もうちょっと頑張るか、相手に正しく尋ねるか、「攻め方」を変えて、リトライしてみましょう。
他者を巻き込む
次に行き当たるのが「他者の巻き込み」というステップです。
一プレーヤーとして、与えられた仕事を受動的にこなしていくという状況から、独力では立ち行かない仕事を主体者として任されるようになる、ということです。
ここには、2つのステージがありす。
ひとつは「他者にお願いして協力してもらう」ということ。
そしてもうひとつは「他者に指示してやってもらう」ということ。
時間の経過とともに、後者の比重が徐々に高まるのが一般的ですね。
「お願いして協力してもらう」には、相手に拒否権がありますので、本人の人柄とともに、お願いする内容の魅力度といった要素が大きいかもしれませんね。
一方、「指示してやってもらう=やらせる」とは、”強制的に嫌がることでも”やってもらわなければなりません。まさに人を使うというマネジメントの領域です。
(役職上「管理職」であるかどうかは全然別問題です)
これがまあ、実に大変な話になってくるわけです。
書店のビジネス書のコーナーに行くと、マネジメントやリーダーシップに関する書物がたくさんあります。タイトルを見ていると、いろいろな視点からアプローチしています。
なかには、「リーダーは、○○をやりなさい」という本の横に、「リーダーは、○○をやってはいけない」と、全く正反対のタイトルが並んでいたりします。
それだけ、人を使うことは難しく、実に多くの人がどうすればいいかと悩んでいるのです。
いずれにせよ、この領域に入ってくると、いかに周囲の人を巻き込むか、自分の考えや行動を波及させか、といった人への影響力の強化と、その波及範囲の拡大が課題となり、それはずーっと最後まで取り組まなければならないことなのです。
おわりに
以上、会社に入ったら誰しもが経験する成長のステップを記しました。
どんなに優秀な人であっても、一直線でドンドン成長するわけではなく、何度も足踏み状態を経験します。
そして、会社員にとって最大の課題は「他者を巻き込む」力をつけることに尽きます。
ときに、これまでのご自身を客観的に振り返り、どのような成長のステップを歩んできたか、確認してみてください。
きっと、驚くほど成長していることを自覚できるはずですよ!
では、また。