人事評価(人事考課)の方法は?誰がどんな項目をどんな基準で行っているのか裏側をご紹介

 

会社勤めをしている人にとって、「人事評価(人事考課)」ほど切実な問題はありませんよね。

あなた自身が会社からどのように評価されているかによって、あなたがどのような業務に関われるかが決まり、給料やボーナスが決まり、そして、将来的な出世の道が決まっていきます。

 

人事評価において、少しでも良い評価を勝ち得る。

これがより良い会社員人生を歩んでいくためのすべてだと言っても過言ではありません。

 

しかしながら、そもそも人事評価の方法と言っても

  • 一体、誰がどんな項目をどんな基準で評価しているのか?

が、なかなかわかりにくいですよね。

 

そこでこちらでは、人事評価(人事考課)の方法を具体的に紹介していきます。

良い評価を得るために、まずは人事評価の方法を知ること。そのうえで対策を立てることが重要。

まずは、こちらの記事内容を知っておいてください!

 

私・管理人は、某メーカの人事部において長く人事評価制度や人員配置の業務を担当し、また、15年以上の管理職経験を通じて、のべ1000名以上の社員の人事評価を行ってきた実績があります。

こちらで紹介する情報は、人事評価の表も裏も知る立場で得てきた知見ですので、きっとあなたの役に立つはずです!

 

何のために評価するのか?

まず初めに、人事評価(人事考課)について、そもそも、何のために行うのかを会社目線でご紹介します。

人事評価(人事考課)とは、一般的には「定められた期間の仕事における成績をつける」ことであり、この評価に基づき、

  • 給料や賞与の査定
  • 昇格・降格
  • 人事異動
  • 能力開発・育成計画

が行われていきます。

多くの会社では、半期ごと(6ヶ月ごと)に人事評価が行われ、年度末には上期と下期を合算し通年分もはじき出されます。

 

会社側は、この評価結果をもとに、

  • 短期的には社員の昇給・賞与の配分
  • 中長期的には社員の会社におけるポジション

を決めていくのです。

*会社におけるポジションとは、どの分野の業務を担当させるかとともに、将来の幹部候補か一担当者かといった出世ラインまでを含んでいます。

 

また、各期の人事評価の結果は、個人情報として、社内にずーっと蓄積されていきます。

 

誰が人事評価するのか?

人事評価を行うのは、一次的には直属の管理職、つまり、あなたの上司が行います。

ただ、上司は部下の人事評価を行う上で、自分の目だけではなく、他の社員の意見も参考にします。

たとえば、あなたの仕事ぶりを同じ部下であるあなたの同僚に尋ねることは頻繁に行われています。

 

また、直属の上司が行った一次評価を、上司同士が持ち寄って「横並びの目線合わせ」で再評価します。

複眼評価とか多面評価と呼ぶものですが、これは一人の人間(上司)の評価だけだと偏りが発生するため、評価基準を確認しあい、結果を統一するために行うものです。

 

実際、営業のように「数字」で評価できる業務ですら、評価者によって全然違う評価結果が出るのは良くある話です。

会社には評価マニュアルがあって、それに基づいて上司は部下を評価するのですが、「評価のブレが起きやすい上司」「部下に甘い上司(部下を可愛がり過ぎる、良い顔をしたがる、部下に嫌われたくない)」「部下に厳しすぎる上司」など様々な上司がいるため、他の人から見て変な評価結果が出てしまうんですよね。

もちろん評価者である上司に対して「正しく評価するよう」会社側は研修を実施していますし、「人事評価改善等助成コース」といった補助金制度なんかもあるのですが、なんせ「人間がやること」なので、やっぱりおかしな評価がなされてしまいます。

こんな不公平な評価がそのまま採用されたら、社員の不平不満が爆発するのは明らかなので、「横並びの目線合わせ」を行うわけです。

 

こうやって、直属の上司が評価した内容を「横並び複眼評価」で修正したものを、二次評価として上司の上司が確認し承認します。

これで人事評価は終了となります。

 

が、まれに各部門から人事部に上がってきた評価結果を、今度は人事部(場合によっては、役員級も含め)が「横並び評価」するケースもあります。

これは、会社業績が悪いのに、やたらに良い評価結果ばっかり出されてきた(=人件費総額が想定以上に増えそうなケース)ときに、人事評価の差し戻しを行わせるためです。

 

こういったプロセスがあるため、評価面談を行ってから、人事評価が確定するまで1か月以上、時間がかかったりするわけです。

 

評価される項目は?

人事評価で評価される項目を大きく書くと、

  •  成績 (仕事の成果、仕事の質と量)
  •  情意 (自覚、意欲、行動、・・・)
  •  能力 (知識、技能、判断力、・・・)

の3つとなります。

このうち、「成績」と「情意」は評価対象となる一定期間(通常6ヶ月間)の間に行ったことの”累計”として、「能力」は一定時点(通常、評価を実施する期末時点)でどのレベルにあるかで見られます。

 

評価基準は原則秘密

実際に評価をするのは直属の上司(管理職)であり、評価項目と評価する基準はセットで社内ルールで定められています(評価マニュアルなど)。

人事評価が分かりにくかったり、社員から不満が出てくるのは、このルール自体が”原則として秘密”にされてるからなのです。

 

なぜ秘密にしているのか?

それは、人事ルールや評価マニュアルをオープンにすると、さまざまな問題が発生してくるからなんです。

 

例えば、ルールの最重要項目となる「評価指標(何を評価しているのか?)」

「成績」で、営業成績のように数字と言う分かりやすい指標であれば、オープンになっていると思います。

これは、一目瞭然、誰でも結果に納得できるからです。

 

ところが、「仕事の質」となると、事案によって、その指標がケースバイケースとなる場合が多くなります。

何をもって「仕事の質」とするのか、それがどの程度であれば、どういうランクにするのか、複数の指標の比重をどうするか・・・。

 

そもそも、評価の対象とすべき項目が、仕事によって個別に発生することも多いため、指標をはっきり決めるのは難しいのです。

これが「情意」や「能力」になってくると、余計にややこしくなってきます。

 

と言うことで、ルールは、もともと不明確な点が多く裁量に委ねられている部分があるのです。だから、フルオープンにしたくても出来ない、といった面があります。

評価される側からすれば、「何をどうやって評価しているのか」良くわからないという問題があり、だからこそ、評価結果に不平や不満が出てくるんですよね。

 

「職務基準書」と「職務明細書」

評価項目には、「成績」、「情意」、「能力」の3つがある、とご紹介しました。

このうち短期的には、「成績」と「情意」が昇給・賞与の査定に、「能力」は昇格・昇進に用いられます。

一方、中長期的テーマである人事異動や能力開発などは、3つの評価項目の累積と変化の度合いから検討されていきます。

 

で、どう評価がなされるのか、よく分からんというのが問題ですが・・・。

「職務基準書」「職務明細書」というのをご存知ですか?

どちらも社員に与えられている役割と期待されるレベルが書かれたシートで、職務(担当する仕事)と職階(人事上の格付け)ごとに、その内容は異なります。

 

「職務基準書」は、その会社の各職種に共通しているもので、職種内の階層(=職階のレベル)の定義付けがなされており、昇格・降格の基準となります。

 

「職務明細書」は、個々人ごとに作成されており、担当する業務でやるべき内容が書かれているもの(担当替えがあるまで継続されます)と、半期の間に「どんな仕事を、どのレベルで行い、どの程度の結果をだすか」を明文化しているケースがあります。

後者は、場合によっては、社員本人がシートを作成し、上司面談を行って、半期目標として”握る”こともあるでしょう。

 

「職務基準書」「職務明細書」は、会社によって作成されていないかもしれませんし、あってもオープンにされていないかもしれません。

が、一度、上司に「あるのかないのか、見せてもらえるのか」を尋ねてみるのもよいと思いますよ。

 

 評価項目と評価基準

さて、これらに書かれている内容、実は具体的な評価項目であり評価基準であると考えて、まず、間違いないです。

 

例えば、ですが、営業職の「職務基準書」に業務遂行能力という項目があったとして、ここでの職階レベルは、以下のような書きぶりだったとします。

レベル1 : 限定的な業務を上位職階の指示のもと実施できる

レベル2 : 限定的な業務を単独で遂行できる

レベル3 : 人まとまりの業務を単独で遂行できる

レベル10 : 広範で他部門に影響を与える施策を自ら企画立案し、他者に実行させられる

 

仮にあなたが営業職のレベル2だったとして、今半期の「職務明細書」で、

1.A社との取引額を対前期105%にする

2.B商品の新規取り扱いを獲得する

の2つが営業目標だとしましょう。

 

1の「対前年105%」は、レベル2「限定的な業務を単独で遂行できる」として妥当であり、半年後にその結果は「成績」に反映されます。

その際、目標である「対前期105%」がベースになり、上下どの程度であればどう評価するか、の評価指標が決められているのです。

これまた例えばですが、「成績」における評価は

  • 108%以上はプラス評価
  • 102~107%でイーブン
  • 101%以下は進歩なしまたは後退とみなされマイナス評価

といった具合です。

 

2の「B商品の新規取り扱い」はレベル3「人まとまりの業務を単独で遂行できる」相当か、それ以上の難易度がありますから、チャレンジ課題となり、その結果は「成績」と「能力」に反映される、と考えられます。

そして、結果の判断は「獲得できたかできなかったか」の2択なので、

「成績」における評価は

  • できればプラス
  • できなければイーブンまたはマイナス

とされます。

 

さらに、できた場合は、そのアウトプットのレベルややり方が考慮され、

「能力」評価において、

「レベル3相当に到達」と判断されれば晴れて昇格!

となりますね。

 

もちろん、人事評価はこんなにシンプルなものではなく、様々な評価項目と評価基準があり、過去実績などが加味されます。

 

そして、評価基準は、会社の置かれている状況、特に全社業績に左右されることがあります。

同僚の頑張り度合いと相対的に評価されることがあるかもしれません。

さらに、個人の人的評価の影響も大きいと思います。これは、上司の好き嫌いも含めて、ということです。

 

このように、評価基準は状況によって変化することが多いので実態は分からなくて当たり前なのです。

そして、上司に聞いても「はっきり言えること」以外は、まず教えてくれないものです。

ただし、確実に言えることは、「職務基準書と職務明細書に書かれている項目」が評価する際に、チェックされている項目だということです。

これらが分かるのであれば、ぜひ意識しておいてください。

 

まとめ

以上、人事評価に関して記しました。

まとめると

人事評価は

  • 短期的には社員の昇給・賞与の配分
  • 中長期的には社員の会社におけるポジション

を決めるために実施しているということ。

人事評価は、一次は直属の上司が行い、複数の管理職のチェックを経て、上司の上司が二次評価を行っているということ。

評価項目と評価基準は秘密にされているが、「職務基準書」「職務明細書」に、ほぼ一致しているということ。

となります。

こちらで紹介したことを知っているかいないかで、あなたの行動に大きな差ができますし、人事評価の結果にも大きな差ができてきます。

頭の片隅でOKなので、ぜひ、知っておいてくださいね!

 

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