部下が突然「退職する」と言い出したら上司はとっても困るものです

転職活動は、会社にバレないよう秘密裏に行うのが鉄則。

もし、転職活動していることがバレてしまったら何かと面倒なことが起きてしまいますので。

 

しかし、実際に転職先が決まると、今の会社を退職する旨を上司に伝えることになります。

上司にしてみれば、突然、退職話を聞かされるわけですので、とっても困るものなのです。

 

部下が突然「退職する」と言い出したら、上司はなぜ困るのか?

こちらでは、退職を伝えたときの上司の反応や上司が困る理由を記します。

 

*本エントリーは、これから上司に退職を伝える方向けのアドバイスとして書いていますが、あなたが上司という立場で、はじめて部下から退職の申し出を受けたといった場合でも、参考にしていただける内容となっています。

 

退職を伝えたときの上司の反応

転職が決まったら、

「別の会社に転職することになったので退職します」

と上司に退職を伝えることになります。

それまで、「会社を辞めるかもしれません」と多少、退職を匂わすような話をしていても、いざ正式に聞かされると、上司はきっと驚くことでしょう。

そして・・・。

 

退職理由を根掘り葉掘り質問してくる

まず最初に上司は、

  • なんで転職するの?
  • いつから転職を考えていたんだ?
  • 転職先はどんな会社だ?
  • なぜその会社に転職を決めたのか?

などなど、退職理由を矢継ぎ早に、そして、根掘り葉掘り質問してくるでしょう。

 

退職しないように慰留し、引き伸ばしをする

ひと当たり質問すると、今度は辞めないようにと慰留してくるでしょう。

  • 転職したいと言う考えは、もう変わらないのか?
  • 今の職場で何が不満なんだ?
  • 今の会社で他に行きたい部署はないのか?
  • もしその部署に行けるとしたら転職は考え直すか?

 

あなたの退職する気持ちが固いとわかると、次は退職時期の引き延ばしを図ろうとしてくるはずです。

  • いつまで今の会社に勤務できるのか?
  • 退職時期を引き延ばすことは出来ないのか?
  • ギリギリ、いつまで居られる?

 

イヤミを言う・罵倒する

慰留が無理、退職の引き延ばしもNGだとわかると、出来た上司であれば、

  • 「そうか、わかった。新しい人生が成功するよう応援するからな」
  • 「お前なら大丈夫!きっとやれる」
  • 「これからも頑張れよ」

と大人の対応をしてくれるでしょう。

でも、ここまでポジティブに言ってくれる上司は、う~ん、残念ながらあんまりいないかもしれませんね。

 

多くの上司は、自分の気持ちと頭の整理ができたら、クールに事務的な対応に切り替えてくるでしょう。

そんな上司を見て、あなたは

「辞めていく部下には、冷たい態度を取るんだなぁ」

と思うかもしれません。

 

でも、この程度であれば、まだマシなほうなんです。

中にはネチネチっとイヤミを言ったり、強烈に罵倒したり、そんなたちの悪い上司もいるんですよね。

  • 急にこんな話をされても困る
  • そもそも、俺はお前の退職を絶対に認めないからな
  • お前が辞めたら他の奴らに迷惑がかかるのがわからないのか

これくらいのことを言われるのは、まあ、覚悟しておいた方が良いかもしれません。

 

中には、

  • お前みたいなやつが転職したって、どうせ勤まらない
  • 自分のことしか考えられない無責任な奴め
  • これまでの恩を仇で返しやがって!この裏切り者!

なんてことことも。

 

さすがに、ここまで露骨な物言いをする上司は、本当に数少ないとは思います。でも、それまで良い上司だと思っていた人でも、感情的になると何を言い出すか分かりませんからね。

悲しい話なんですが・・・。

 

退職を告げられた上司の本音

部下であるあなたが退職話を切り出したとたん、感情的になる上司はたくさんいますし、レアケースとは言え、様々なひどい言葉を投げつける上司もいます。

もし、自分がこんな言葉を面と向かって言われたら、そりゃぁショックですし、腹も立ちます。

そして、それまで上司のことを良い人だと思っていたら、本当に悲しくなってしまいますよね。

 

ではなぜ、激昂して、取り乱してしまう上司が出てくるのでしょうか?

それは部下の退職は、上司のプライドを傷つけるのとともに、上司にとって本当に困ることになるから、なのです。

 

上司のプライドを傷つける

部下が退職するのは、今の会社にダメ出しをしていると捉えてしまい、さらにそれがエスカレートして自分自身が否定されていると置き換えてしまう上司がいます。

実際に上司がイヤ、会社がダメで転職する場合は、まさに「その通り」なんですけど、それに過敏に反応してしまう上司がいるのは事実なのです。

 

それと、部下が何の相談もなく転職活動を行っていたことに反感を持つ上司もいます。

(あなたが上司に対してどんな思いだったかは別にして)上司があなたのことを可愛い部下だと思っていたら、その思いが強ければ強いほど、「信用されていなかった」「裏切られた」とショックを受けるのです。

そして、感情が先走って激昂すると、上で書いたような人として恥ずかしい言葉を口にしてしまうのですね。

 

部下の退職は上司にとって困るもの

現実問題として、部下に退職されると上司にとって、本当に困ることが起きるのです。

それは、

  • 上司が管理する人事への影響
  • 上司本人の社内的な立場

に悪い影響があるからなのです。

 

部下の退職による人事への影響

部下が一人退職すると、上司はその部下が担当していた仕事をどうするかを考えなければなりません。

今いる他のメンバーに振り分けるか、他の部署から人員を補充するか、中途採用を行うか。

いずれにしても、人事に大きな影響が出てきます。

 

他のメンバーに振り分け

あなたが行っている仕事を他のメンバーに振り分けると、まず、誰にどの仕事を振り分けるかで、上司は頭を悩ませることになります。

他の部下たちは、今の仕事にさらに追加で仕事を増やされることになるので、不平・不満が出てくることは十分ありえます。

それでも、上司としては、部下たちに何とかやらせるようにしなければなりません。

 

他部署からの人員補充

上司としては、他の部下たちの仕事が増えた状況をいつまでも続けるわけにはいきません。

そこで上司は、他部署から人員補充を検討します。

その際は、人事部にかけあって人を回してもらうのですが、(会社にもよりますが)これがなかなか難しかったり、時間がかかったりするのです。

 

そして、これが一番大きな問題なのですが、補充される人員は、他部署で「お荷物」扱いとなっている仕事の出来ない人や問題の多い人を押し付けられることが多いということです。

「お荷物」を「何とか放出したい」と考えている部署にとっては、やっかい払いができるので、渡りに船でダメ社員を出してきます。

あなたの上司は、人手が欲しいとお願いしている立場なので、どんな人であっても断わるわけにはいきません。

結果、出来の悪い社員を部下として抱え込まざるを得なくなるんですね。

 

仕事は出来ないのにトラブルを起こしたり、チームワークを乱す人が転入してくると、上司の負担が増える一方ですし、残った部下たちから

「なんで、あんな出来の悪い奴を引き受けたんだ?」

と責められます。上司にとって良いことなしです。

これを知っている上司は、部下の急な退職を嫌がるわけです。

 

中途採用の実施

社内での人員補充ができない場合は、中途採用を行うことになります。

一般的に、採用業務はひとつの部門が単独で行うのではなく、人事部が取り仕切るケースが多いのですが、上司としては、自分の部署のために人事部に仕事をしてもらう、つまり、借りをつくることになるわけです。

実際に中途採用で補充するかどうかの判断を人事部が行うケースもあるでしょうし、いつ採用するかを決めるのも人事部だったら、主導権は握らせてもらえません。

このように上司には、部下が辞めた後の対処にルーティン以外の業務での労力がかかり、上司とすれば困るのです。

 

上司の社内的な立場がまずくなる

部下に突然、会社を辞めると言い出された上司のことを、さらに上の上司はどう思うでしょうか?

  • 部下のことを把握できていたのか?
  • マネジメントはしっかりとやれていたのか?
  • 職場に何か問題があるんじゃないか?
  • 部下が辞めた原因は、お前にあるんじゃないか?
  • ハラスメントを行っていたのではないか?

部下が転職する理由は一切関係なしで、上司はこういった疑念を持たれます。

 

これらの疑念に対して、上司は説明責任を果たさなければなりません。

だけど、どのような事情であれ、部下に退職されてしまうのは事実ですので、「部下の心情や行動を把握できていなかった上司」とマイナスの評価を受けることになってしまいます・・・。

とにかく、部下が退職するということは、上司にとって社内での立場がまずくなる場合が多く、とっても困るものなんです。

 

まとめ

以上のように、部下が突然「退職する」と言い出したら上司はとっても困るものです。

そして、実際問題として、あなたが退職することは上司や同僚に迷惑をかけることでもありますので、社内での人間関係が良い人は、とても心苦しく思うでしょう。

でも、自分自身の人生を、より良いものとするために「転職」を決断したのであれば、「今の会社を退職する」ことは避けては通れません。

退職に際しては、できるだけ上司や同僚に迷惑をかけないようにすることは大切ですが、やはり、自分で決めた道を進みたいものです。