仕事においても、日常の暮らしの中でも、「人が動かない・・・」と悩むことってありますよね。
特に上司という立場になると、部下を動かすことが大切な仕事になるのですが、
「あれだけ言ったのに、なんでやってくれないんだ?」
と思うことばかりです。
このようなことが重なると部下に対するストレスは溜まる一方ですし、自分自身「もしかして、上司としてダメなんじゃないか?」と落ち込んでしまいます。
ところで、「部下が動かない」のにはいくつか理由が考えられますが、一番大きなものは
「そもそも人(他人)は、自分の思い通りに動かない」
という根本的な問題があるからだと考えます。
こう割り切ることができると、ストレスはかなり軽減できますし、さらに「部下に対する接し方(動かし方)」も変えることができるんです。
そこでこちらでは、人が動かないことについて、思うところを記します。
デール・カーネギーの名著「人を動かす」
デール・カーネギーの名著に「人を動かす」という本があります。
自己啓発本の元祖的な存在であり、大変なベストセラーですので、読んだことあるよ!と言う方もたくさんいらっしゃるでしょう。
この「人を動かす」、発行されてからおよそ80年も経っていますが、今もなお、読みつがれているのは、こちらに書かれている内容が、とても素晴らしいのとともに、どの時代においても、
「人が動かなくて悩んでいる」
方々が、本当にたくさんいるからではないでしょうか?
人が動かない今の状況を何とかしようと、この本を手にする、ということですね。
人は動かない
自分自身を考えてみると、「思うように人が動かない」って思う場面は、本当にたくさんあります。
一番強く思うのが自分の子供に対して。
「親の心、子知らず」と言いますけど・・・、本当に思うように動いてくれないんですよねぇ。
自分の子供や家族はもちろんですが、友人・知人もそうですし、仕事をしているときとか、買い物や食事なんかで出かけたとき、接する相手がなかなか思うように動いてくれなくて、イライラしたりイヤな思いをすることって、しょっちゅうありませんか?
よく、ストレスの大半は突き詰めると「人間関係」と「お金」の問題と言われますが、ここで言う人間関係とは、まさに自分の思うとおりに「人が動かない」ことのではないでしょうかね?
自分も動かない
では、なぜ人は動かないのか?ですが・・・。
それを語る前に、自分自身を考えてみると
「自分も動かない」
となるんですよね。
「人は動かない」のと同じく「自分も動かない」。
ということは、つまり、人が動かない理由は、自分が動かない理由と同じということとなるわけで、これを少し考えると、人が動かない理由が簡単に分かってきます。
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自分が動かない理由
ちなみにですが、私自身が人から何か言われても動かない理由は、以下のとおりです。
言われたことそのもの
- 単純にやりたくない(メンドくさい、大変、他にやりたいことがある・・・)
- やり方がわからない
- やると損する(自分の負担、他人の得)
言われ方
- 「やって」と言われること自体がイヤ
- 言われ方が上から目線・敵対的
言ってきた相手
- キライな相手
- 言われのない相手(なんでお前に「やれ」と言われなければならないの?と思う相手)
他にその時の気分で動かないときもありますが、私自身、大体、こんなところです。
これをお読みになったあなたはいかがでしょうか?
これは当てはまると思うものもあれば、ほかに自分はこういうときは動かないというものもあると思います。
いずれにしても、「人が動かない理由なんて山ほどある」んですよね。
だから、人は動かないんです。
人を動かすということ
さて、このように、自分が動かない理由はたくさんあります。
翻って、人を動かす(=人に動いてもらう)には、少なくとも「自分自身だったら動かないだろう」理由となるものを取っ払わないと、うまくいかないと言うことですよね。
(自分がやりたくないことを人に押し付けたところで動くわけがないですから)
実際、何の配慮もせずに人にお願いするのと、上に記した「自分が動かない理由」を意識して、それらを出来るだけ無くしたうえで人にお願いするのとでは、明らかに相手の反応が違いますからね。
なので、人を動かすには、少なくとも相手が動かなくなるようなことは慎まないといけないのです。
でも、やっぱり、動かないときは動かないもの。
人に動いてもらうには、これだけじゃぁダメで、他にもいろいろとやらなければならないことがあるんですよね・・・。
この「他にもいろいろ」は、書き始めたらキリが無いのですが。
割り切ることと達観すること
私自身、「人を動かす」ことについて、いろいろと思い悩んできました(今も、悩むこと多々)が、その中で、気付いたことが2つあります。
人は動かないと割り切る
そのひとつが、「人は動かないと割り切る」こと。
こう書くと、とても後ろ向きに見せますが・・・、上で述べてきたように、そもそも「人は動かない」ものと割り切っておくことが大切だと気付いたのです。
だからこそ、動いてもらうには相当の配慮が必要ということです。
結果に期待しすぎない(達観する)
もうひとつが結果に期待しすぎないということ。
これも後ろ向きに見えますが、人を動かすと言うことは、
- 自分がお願いしたとおりに相手は動いてくれるだろう
- 動くからに、それ相応の結果を出してくれるだろう
と、相手の行動とその結果に期待することとなります。
しかし、それらが自分の期待するレベルに達していないので、「動かない」「できない」と捉えてしまい、イライラするのですね。
でも、相手は相手であって自分ではありません。だから、自分の思うとおりになるはずがないし、望むとおりの結果を出してもらえるものではないんですよね。
ということをはじめから織り込むことができる、つまり、結果に期待しないと達観できると、「人を動かす」ことにおいては不十分ですが、自分自身がストレスを受けることは格段に減るのです。
(とは言いつつ、なかなか達観できないんですけど・・・)
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まとめ
人を動かすことについて思うことを書きました。
結論として、
- 人は動かない
- だからこそ、動いてもらうための配慮が必要
- そして、結果には期待しすぎない
となります。
これらを行うこと自体、本当に難しいのですが・・・、多少なりとも人は動いてくれるし、自分のストレスはさがるものですよ。
以上、人が動かないとお悩みの方に、ご参考まで。
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