部下対応に関する具体的な「コツ」を記していきたいと思います。
これらは、「人の上に立ったときにどうするべきか」に関するものですが・・・、私も他の多くの方と同じく、うまくいかないことだらけで随分と思い悩みました。
自分で考え、本を読み、いろんな人から教えてもらったりして、試行錯誤を重ねながら、自分なりに思い至ったものがあります。
それは
ということであり、だからこそ
というものです。
これらは必ずしもベストではないかもしれませんが、「上司」という立場にある方にとって、多少のヒントになれば幸いです。
上司に求められるスキル
上司に求められるスキルは「適切な指示を出し、確認するためのスキル」と、「指示事項を部下に実行させられるスキル」になる、そして、ほとんどの場合、上司の悩みの根っこは、後者にあると前記事で述べました。
後者の「指示事項を部下に実行させられるスキル」は、他者に働きかける外的な能力であり、大別すると、部下に対して、
- 実行してもらえるように指示を出すこと
- 実行できる能力を身につけてもらうこと
- 実行しようという気持ちになってもらうこと
となります。
そして、その大前提として、
- 上司としての部下対応の心構えを持つ
- 部下のことを把握する
の2つが挙げられます。
上司としての部下対応の心構え
上司とは嫌われる存在
まず、「上司としての部下対応の心構え」です。
上司とは、部下から疎まれ嫌われる存在であることを自覚し、それに耐えること
これが、全てのスタートであるとの心構えを持つべきです。
この状況は、一人の人間としては実に寂しいことですが、この心構えを持てない人は、残念ながら上司失格だと言えるのです。
そして、それ以上に自分自身の心が傷つく可能性が高いと思っているのです。
もちろん、わざと嫌われたり、疎まれたりする行動を取りなさい、と言う意味ではありません。
どんなに素晴らしい行動を取り続けたとしても、部下の中から、あなたのことを嫌ったり、疎ましく思う人が、一人や二人は必ず出てくる、との心構えを持つことが必要だと言いたいのです。
一人の上司に対して、複数の部下がいます。
それぞれに人生があり、それぞれの価値観があります。
あなたの仕事の進め方を、喜んで受け入れる部下がいれば、全面的に拒否する部下もいるのです。
10人中9人が受け入れても、1人でも徹底的に拒否するような部下がいたとしたら、その人は、間違いなくあなたを疎ましく思っているでしょう。
部下を尊重し、必要な配慮をするのは大切であり、上司と言うよりも人として当たり前にやるべきことです。
でも、自分が嫌われたくないという理由で部下に”おもねる”ことは、配慮ではありません。
部下に”おもねる”ことは、遠慮であり、私情を挟んでいることで、上司として本来やってはいけないことです。
これをやると、やがて、組織を腐らせてしまい、自分のみならず、部下をも不幸にしてしまうのです。
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一体感は幻想
次に、これもつらい話ですが、
部下との関係で感じる一体感は、その半分以上はただの幻想に過ぎない
と思っていたほうが良いでしょう。
あなたに笑顔で応え、指示に従い、一生懸命仕事をし、何かと世話を焼いてくれるのは、あなたが会社で上司だから、です。
もし、あなたに今の立場や役職、そして、社内における今後がなければ、向けられる笑顔は、残念ながら半分以下に減るでしょう。
時に感じる一体感は「単なるまやかしに過ぎない」、これくらいに思っておかないと、後になって本当に悲しい思いをしかねません。
部下との心理的なかかわり方は、上司の性格や組織・部門の特徴で変わってくると思います。
それでも、心の中では、決して「部下に対して甘い幻想は持たない」という心構えが必要です。
それが、あなたの「ハートを守る」最大の防具なのですから。