上司という存在
会社において、あなたの仕事、そして、あなた自身に対して、もっとも大きな影響を与えている存在、それは上司ですよね。
なんと言っても、あなたに「業務命令」を発し、あなたに「指示」をし、あなたとあなたの仕事を「評価」し、さらには、あなたの「昇格・降格」や「人事異動」にも関与する存在なのですから。
ちょっと乱暴な言い方をすれば、日々、あなたの一挙手一投足を監視して、あなたの生活する場所と収入までを決定する力を持っている、そんな存在なんですね。
こう考えると、かなりウザい存在ですよね。
事実、多くの調査で、職場内ストレスの原因の上位に上げられるのが「上司との関係」です。
ウザい存在である上司、日々、腹が立つことも多いはず。
だけど、上司に腹を立てる前に、やるべきことがあります。
あなたの上司はどんなタイプ?
さて、「上司」と言っても、様々なタイプがいます。
一般的に言って、好かれる上司とは、「リーダーシップがある」「最後には責任を取ってくれる」「行動力がある」「決断力がある」「仕事を任せてくれる」「方針をはっきり指し示してくれる」などがあげられるでしょう。
一方、嫌われる上司とは、「責任を取らない」「口先ばっかりで行動しない」「無理難題をふっかける」「言うことがころころ変わる」「理不尽に叱る」「嘘をつく」と言ったところでしょうか。
ここで、あなたの上司は、どんなタイプなのか、上の例示で、どれとどれが当てはまるか、チェックしてみてください。あるいは、これら以外に、どんな要素があてはまるかについてもチェックしてみてください。
あなたの上司は、好かれる上司と嫌われる上司の両方の要素を持っていませんか?そして、多分、悪い面のほうが多く思い付いたのではないでしょうか?
上司といえども人間です。良い面もあれば悪い面もあり、得手もあれば不得手もあります。
人間である以上、すべて完璧といった人はいませんよね。
ただ、上司という「人の上に立つ立場」になると、良い面がより多く、より深く求められています。そして、部下の立場から見ると、どうしても悪い面がクローズアップされてしまうと思うのです。
まして、人の性格や特徴とは、裏表の関係にあるものです。
「慎重」も度を過ぎると「優柔不断」となります。上の例示で言えば「リーダーシップがある」というのは、「無理難題をふっかける」と紙一重です。
悪い出方をするときは、その本人が都合の悪い状況であったり、感情的になっている時のように思います。
上司という立場の人間は、どうしても「よろしくない状況に対応すること」が多いものです。したがって、本来であれば良い面と捉えられる特徴も、悪い面として、しかも表れる頻度が高くなる傾向があるかもしれません。
上司を一人の人間として見てみると
さて、ここで、上司を一人の人間として見たらどうでしょうか。そして、良い面、悪い面を含めて、「こういう人なんだ」と受け入れてみたらどうでしょうか。
結果、「好き」となれば大いに結構です。もし、ここで初めて上司を好きと自覚できたのであれば、その分だけ、明日からの会社生活は楽しくなることでしょう。
一方、「嫌い」となったら・・・、さて、どうよいでしょうか。
ひとつかふたつで構わないのですが、「良い」と思える点は無かったでしょうか?
まずは、そこを意識してみませんか?
多少なりとも、良いところがあると思えると、上司を見る目は変わってくるものだと思います。
できれば「嫌いなヤツ」と断定し、全人格を否定してしまわないように。
せめて、「しょせん、ああいうヤツなんだ」、「別にどうでも良いヤツだ」と言った程度に留めておきましょう。
そうでないと、絶対的な嫌悪感しか残らなくなります。
*どうしても上司が嫌いで仕方ないときはこちらを参照してください。
間違っても上司に性格上の悪い面を直してもらおう、などと考えないことです。
残念ながら、あなたと上司は今、良好な関係にはないですよね。
そんな中で、部下の立場であるあなたが何かモノを言ったところで、まず、直そうとしてくれないでしょう。
かえってあなたのストレスを大きくし、下手をすると逆恨みされかねませんから。
明日からしばらくの間、上司を一人の人間として見つめなおし、受け入れながら、その言動を“観察”してみてください。
これだけで、たくさんの発見が出てきます。
すると、上司に対するあなたの見方は、少しずつ良い方向に変わっていきますよ。
では、また。