部下に仕事をしようという気持ちになってもらうために

 

仕事において、部下に仕事をしてもらい成果を出してもらうよう働きかけることは、上司にとってとても大切な役割・・・。

なんだけど、世の中の上司の悩みのほとんどは「部下が仕事をしてくれない」と言っても過言ではないくらいとっても難しいことですよね。

そこでこちらでは、部下に仕事をしようという気持ちになってもらうため、どのように対応していけばよいか、私自身の経験をベースに記します。

 

部下の動機付けとフォロー

まず、上司としての理想は、部下本人が自ら「やります」と言ってくれることですよね。

このような反応をする部下は、高い資質を持っているうえに、案件の意味性を理解出来ていることでしょう。

上司は注意点を指示して、あとは必要に応じて軌道修正してやればよいので、とても楽ができます。

 

とはいっても、なかなか簡単に自ら「やります」とは言わないもの。

ほとんどの部下は、言われて初めて、渋々、「わかりました」と答えるでしょう。

そして、「わかりました」と言わせるためには、部下の「能力」「性格」「価値観」を踏まえた動機付けを行うこと、その後のフォローをしっかり行うことが大切となります。

人は、一回言われたくらいでは分からない

さて、部下に指示するときに意識しておきたいのは、「人は、一回言われたくらいでは分からない」という事実です。

部下に対して「あいつは、何回言っても分からん奴だ」って腹が立つことがあるでしょう。

 

でも逆に、あなた自身が、言われただけで全て分かるか?と問われたら、即座にYESと答えられるでしょうか?

初めて言われることは、聞いているときは理解しているつもりでも、時間が経つと、「あれ、何だったっけ?」ってなりますよね。

一部を忘れたり他の考えが入ってくると、頭の中がゴチャゴチャとなって、分からなくなりますから。

 

このように、人はその場では分かったつもりでも、分かっていないことが多々あります。

仕事においても同じ。

部下は、上司からの指示を分かったつもりでも、分かっていないことが多いのです。

 

繰り返し伝えることの大切さ

やる気には波がある

分かっているようで分かっていないのは、理解の仕方やレベル(精度)にムラがあるということです。そして、「やる気」には、もっとムラがあるのです。

「初めて指示されたときは、すごくやる気だったけど、よくよく考えてみると、何だか難しそうだし、分からないところもたくさんあるし、ちょっとなぁ・・・」

時間が経つと、部下のやる気は変わっている可能性があります。

そして、部下本人の性格やその日の気分でも「やる気」に大きな幅ができるのです。

 

繰り返し伝え、動機付けする

上司の言いたいことを、部下は一回聞いたくらいでは分からないし、理解にもやる気にもムラがある。

であれば、どうすれば良いでしょうか?

それは、同じことを伝える量を少なくして、時間を空けつつ、何度も伝えることです。

部下が鬱陶しいと思うくらい、上司から何度も何度も繰り返し伝えるのです。

何度も繰り返し言い続けることで、部下の理解は高まります。下ったテンションを元に戻せます。そして、上司であるあなたの本気度も伝わるのですね。

 

部下の「強み」を言い続ける

あわせて大切なのは、日常的に部下の「強み」を言い続けることです。

この「強み」とは、部下本人が考える「自分の強み」ではなく、上司であるあなたが考える「部下の強み」です。

この意味は、部下本人に自分の「強み」を自覚し、伸ばしてもらうのが第一義ですが、自分に自信を持ってもらうこと、そして、上司であるあなたが部下に「分かっている・認めている」と理解してもらうということもあります。

部下の仕事に対する動機付けの際にも、説得力は高まるでしょう。

つまり、「部下を信頼している」と、日常的に言葉で示すのですね。

 

これは、「褒める」とほぼ同じなのですが・・・、できるだけ”客観的に事実だけを述べる”ほうがよいです。

「褒める」ことは良いことですが、存外に難しいものです。

表面的な褒め言葉は、嘘くさく聞こえますし、ヘタをすると「褒めて、おだてて、やらせようとしている」と腹の中を見透かされるもの。

しかし、客観的な事実として「強み」を語られると、部下自身、自分のことを冷静に判断するようになり、上司の言葉に至っていないと自己評価すれば、それに合わせようと努力を始めるものなのです。

 

おわりに

「部下に実行しようという気持ちになってもらう」、それは、やってもらいたいことを初めて伝えるとき、つまり、最初の指示出しするときが、もっとも重要なポイントとなるのは間違いありません。

しかし、それだけで済ませるのではなく、日ごろからの対話を通じて、上司として信頼していることを示し、また、指示出し後も関わり続けることが大切だといえるでしょう。