5つのタイプ別攻略法|やっかいな相手と社内調整や根回しするときのポイント

 

社内調整先は、いずれも名うてのくせもの揃い

現在、とある会社の「主任」であるあなたは、発案者としてあるプランを実施することになりました。

あなたは、昼夜を問わず真剣に取り組み、ようやっと形になるところまでこぎつけました。そして、上司である係長・課長の承認を得ることが出来ています。

また、会社としての意思決定者である部長からも、内々にOKはもらっています。

ですが、部長から正式な「GO」をもらうためには、社内の関係する部署と調整を行い、そこで合意を得ることが条件です。

 

関係する社内の部署は5つ。

窓口となる担当者5名は皆、あなたよりもワンランク格上の「係長」級です。

いずれも名うてのくせもの揃い。

  • 人の意見を聞かない人
  • 人の意見が理解できない人
  • 社内の役職によって声の大きさを変える人
  • 言うことや態度がコロコロ変わる人
  •  はじめっから喧嘩腰の人

さあ、どうしましょうか?

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う~ん、最悪ですねぇ。

一人か二人、この手のタイプが混じっているだけならまだしも、相手にしなければならない五人全員が、こんな困った人たちですからねぇ。

気持ちの上では逃げ出したいところではありますが、自分のプランを良いものにし、実行していくために、主体者として、ここ一番、踏ん張る場面です。

それでは、どうするのが良いのか相手のタイプ別に考えていきましょう。

 

社内調整先の5つのタイプ別攻略法

1 人の意見を聞かない人

意見を聞かないとは言ってもパターンとしては2通りあります。

  • 自分の主張を一切曲げない人
  • 自分の主張は無いが人の意見は否定する人

総じて「指図されるのがイヤ」、「勝ち負けにこだわる」、「自分が優位でありたい」、「面倒くさがり屋」な人たちではないでしょうか。

あと、たまに見かけるのが偏執的な考え方をする人。

例えば、「自分の意見=自分自身」と思い込んでしまい、他人の意見を聞き入れることは自分を否定することと思うタイプですね。

 

この手の人と話をしていると、自分の意見を主張する際に、「私だけじゃない!皆、そう言ってますよ!」(だから、賛同すべき/だから、あなたは間違っている)と、自分を正当化することが多いような気がします。

 

2 人の意見が理解できない人

まず、本当に「頭が悪い人」は除外しますね(笑)。

で、人の意見が理解出来ない人とは、自分の論理だけでしか物事を考えられない「頭が固い人」だと思います。

自分の頭の中に凝り固まった一本線が引かれていて、短絡的に結論付けてしまう。

さらに言うと、絶対的に自分が正しいと思っているので、深く考えたり、多面的にものごとを見ようとしない、はじめっから理解しようという気がない人。

こんな人が調整相手だと、いくら説明しても埒が明かない、となってしまいます。

 

<1と2の人との調整方法>

まずは、軽く「さわり」だけを伝えて、相手に意見を言わせると良いと思います。

その際、その意見を真剣に聞き、決して否定しないことです。このことで、相手を尊重している姿勢を示すことができますので。

 

そして、一番大事なこと、それは、

相手の意見を復唱する。その際、可能な限り当方の意に沿った内容に言い換えること。まったく相反することは、その場では言わず、日を改めて調整すること

です。

 

この方法はなかなか難しいですが、慣れてくるとなんとかなるものですし、とにかく効果バツグンです。

相手の言った事を都合良くすり替える訳ですから、ちょっと、ずるいやり方なのですが、全く別のことを言うわけではありませんし、気に入らなければ相手は「NO」と言いますから、そこは気にしない。

とにかく、相手の意見を受け入れた形式にするのがベストです。

 

3 社内の役職によって声の大きさを変える人

強きを助け弱きを挫くタイプです。

自分より役職が下の人間に対しては、えらそうな態度を取る人。イヤな感じですが、会社の中では一番多いタイプだと思います。

この人は、自分が上位者に対してへりくだった対応をしているから、下位者も同じようにすべき、つまり、「自分に対して重きを置いた対応をせよ」という気持ちを持っているわけです。

 

<3の人との調整方法>

単純に「すごい!」と持ち上げておけばよろしいかと。そうすれば、機嫌よくしてくれるでしょう。

この手のタイプで仕事の上での接点がある人に対しては、日ごろから持ち上げておくことで良い人間関係を作っておくと良いですね。

うまくすれば、味方になってくれますから。

それでも、立場を振りかざして、ゴチャゴチャ言ってくる場合、いわば中途半端な権力を持った小物の言動を取ってくる場合は、あなたの上司で彼よりも役職が上の人から、硬軟おりまぜて話をしてもらいましょう。大抵の場合、借りてきたネコのようにおとなしくなりますよ。

もっとも、後々、当の本人から根に持たれるかもしれませんので、あまりお薦めしませんが・・・。

 

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4 言うことや態度がコロコロ変わる人

「朝令暮改」という言葉があります。朝言ったことが、夕方には変わっているくらい、一貫性がないことを示します。

よろしくない言動を示す表現ですが、状況が変われば計画も変わるのは当然です。したがって、本質さえブレていなければ、良いと思うのですが・・・。

問題は、状況変化も何もないのに、コロコロ変わる人がいる、と言うことですね。

これまでの自分の主張や話の流れは関係なく、いきなり「ちゃぶ台返し」をしたり、そもそも論に持ち込んで、話を堂々巡りにしてしまう元凶です。

私は個人的に、このタイプが一番たちの悪い存在だと思っています。

さて、このタイプも2通りのパターンがあると思います。

 

  • でしゃばりで良い格好をしたがる

真面目に考えてないので、思いつきの考えを無責任に言う、もしくは、自分の存在をアピールするための機会を虎視眈々と狙っている。要は、その議論の内容や結果は、どうでも良くて、責任のない範囲で自分が目立てばよいという自分本位の人

 

  • 存在感はアピールしたいけれど、自分に自信がなく上司の顔色を見ている人

たちの悪いのは、言うまでもなく前者です。

どうでも良いのだったら、黙っておけばいいものを、自分のために口出しをする、しかも、言うことがコロコロ変わるのですから、迷惑もいいところです。

こういう奴に限って、うまく行けば「俺が言ってやったんだ」と自慢し、失敗したら「せっかく俺が言ってやったのに」とこれまた自慢げに吹聴してまわるんですよねぇ・・・。

後者は、かわいそうな人です。

一旦、発言したものの、後で上司から怒られて、前言撤回するというパターンでしょう。

 

前者後者、どちらにしても、こちらを軽く見ているから、言動も軽くなっているのですね。

<4の人との調整方法>

軽々しく言葉を発せられないようにするため、すべてのやり取りは、ペーパーベースで行うことをお奨めします。

事前調整(=いわゆる根回し)のときから資料ペーパーを用意し、相手が言ったことは、その場で書き込みます。

 

そして、終了時に相手に”見せて”確認してもらい、当日中に資料を修正、メール送信します。その際、あなたの上司で相手よりも役職が上の人に必ずCCをつけるようにしましょう。

これで、「言った言わない」というバカな言い合いはなくなりますし、違うことを言い始めたとき、「前回は○○と言っていたけど、今回意見が変わった理由を教えてください」と切り返すことができます。

相手は困りますよね。なんせ、ただの思いつきで適当に話しただけですから。

そこに説明責任を求められると、以降、軽々しく意見できなくなっていきます。

 

余談ですが、あなたが主催する会議が終わった後は、即行で議事録を作成し、その日のうちに参加者・関与者全員に「取り急ぎ」メールをすること、その際、例えば「問題点があれば、翌日の12時までに全員宛返信をお願いします」と付記することをお奨めします。

これによって、

  • あなたが発する議事録の精度は、「当日中」であるがゆえに低くても良い

→翌日以降になると、議事録の品質は高いものが要求される

  • 「当日中」であるがゆえに、会議に沿った意見が集約できる

→参加者の記憶が鮮明である。翌日以降になると、全く異なった意見が出やすくなり、足踏み・後戻りのリスクが高まる

  • 期限までに全員宛の返信をしなければ、自動的に「承認した」ことにできる

からです。

5 はじめっから喧嘩腰の人

このタイプの人も時々、見かけますね。

3に書いた「社内の役職によって声を変える人」と基本的な言動は一緒ですが、その違いは誰彼かまわず噛み付いてくるというところです。

損得計算など一切していないのでしょう。そして、後先がどうなるかも考えられないのでしょうね。

できるだけ近づきたくない相手です。

 

おそらく、「大変な自信家であるけれども、自分が認められていないことに憤りを感じている」、「嫉妬心がやたらに強い」、「自分の弱さを分かっており、だからゆえに強く見せるために虚勢をはる」、こんな感じの人じゃないでしょうか。

ですが、もし他の部署には喧嘩を売らない人であれば、「あなた、あるいはあなたが所属する部署」だけを嫌っていて、ピンポイントで喧嘩を売ってきている可能性があります。

脚光を浴びる部署への妬み、過去のトラブルなどと言った、いたって個人的な理由で一方的に嫌いになってるケースも、ままあるようです。

 

<5の人との調整方法>

「触らぬ神に祟りなし」です。何を言ったところで、噛み付いてくるし、どんな意見でも反対するだけでしょうから、できれば、距離を置いておきたいところです。

ただ、そうは行かない場合は、上記の1・2タイプ同様、言いたいことを言わせて、黙って聞くしかありません。

これは、社内調整とは言っても、ただのガス抜きですので、その意見はまともに取り合わなくても大丈夫です(もちろん、真っ当な内容であれば、採用すべきですけど)。

そして、ここでは、「意見の復唱」は行っても、すり替えない方がいいです。

 

相手は、とにかく、こちらのアラ探ししかしていませんので、下手に言質を取られないよう心がけましょう。

なお、いくら本人が最後まで反対していたとしても、他部署のメンバーも含め、他が全員合意となり、会社としての決定事項になれば従わざるを得ません。

それでもまだ、グズグズ文句を言ってやるべきことをやらなければ、職務放棄となりますので、あなたの上司からしかるべき処置を取ってもらえばよろしいのです。

 

社内調整は「根回し」が大切

社内調整でやっかいな人たちを、5つのタイプに分け、対応方法を記しました。

もうお気づきと思いますが、この手のやっかいな人を相手にするときに最も重要なことは、個別に「根回し」をしっかり行うことです。

間違っても、いきなり「会議を開催、召集する」など、一方的な通知を行ってはダメですよ。

 

最大の目的は、自分自身が立案したプランの承認を得て、実現することですよね。

そのために、関与者の同意を得る必要があり社内調整を行っているわけですが、社内調整の相手のタイプが異なれば当然、アプローチの仕方は変わります。

だから、必要なプロセスとして個別調整、すなわち根回しが重要となるのです。

 

いずれ全体会議を行うとしても、この過程で徐々に賛同者を増やしておけば、反対者を封じ込めることが出来て、会議自体はセレモニー的なものに収めることができるのです。

それをいきなり会議を開催すると、しかも、紙切れ1枚、メール1本で呼びつけるようなマネをすると、相手は、「頭ごなしに呼びつけやがって!えらそうにするな!」と反発するもの。

 

さらに、会議の場では、いろいろな思惑が混ざり合って議論百出となり、まとまるものもまとまらないどころか、自分のプランが全否定されるリスクを背負いかねません。

 

企業人として、まだ「こなれていない人」は、性急にことを進めようとするあまり、こんな「いきなり」をやってしまいがちなんですよね。

大上段に構えて、会議の冒頭、「ほら、どうだ!(俺って)すごいだろ!」と言わんばかりの口上を述べる。

 ハッキリ言って、社会的自○行為ですね。

当然、総スカンを喰らいます。

 

「バカか?オマエは」、「エラそーに!何様のつもりなんだ!」

でも、本人は自分がいかに稚拙なことをやらかしたかを自覚できていませんので、皆の反感、反発を喰らっても、「奴らはわかっていない!」とか、「足を引っ張る!」とか、挙句の果てには、「根回しが必要だなんて、日本の会社の仕事の進め方はおかしい」などと愚痴るのです。

 

これも傍から見ていれば、「社内の合意を得る術を知らない奴が、自分をすごいと勘違いして、取るべき労を惜しんだ結果、玉砕したということになるのですね。

そして、その先にあるのは、「仕事の出来ないレベルの低い奴」という烙印です。

 

最後に

改めて

  • 仕事は自分ひとりでやっているものではない
  • 自分が達成したい目的・目標を実現するためには、他者(相手方や協力者)の理解と助力を得ることが必要
  • 「調整」とは、それを成し得る有効な手段のひとつ

と記します。

根回し・社内調整などの日本の会社の仕事の進め方には、良し悪しはあるでしょう。

ただ、今、その状況である以上、これに合わせられないと「うまく回らない」のが現実です。

そして、合わせられない人は「仕事ができない人」と見られることを知っておくべきでしょうね。

 

社内での「調整」を、不毛の議論とさせないために
そもそも、社内調整ってなに?仕事における「社内調整」とは、通常は、「いろいろな意見をすり合わせて一本化する」ことです。スケジュール調整のように、ある程度決まったものを周知し、それに合わせた行動を取るといった軽いものもあれば、意見調整のように

 

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では、また!