名刺交換で恥をかかないために知っておきたいことと気をつけるべきこと

 

基本的なビジネスマナーである「名刺交換」。

すでに顔なじみの相手であれば、あいさつから入りますが、初対面の場合は、まず100%行われるのが名刺交換(最近は、握手をするケースも増えています)。

名刺交換は、いわばこれからお付き合いが始まるというスタート、ここで恥をかかないため知っておきたいことと気をつけるべきことについて記します。

名刺交換の一般的なマナー・ルール

名刺交換においては、一般的に以下のルール・マナーがあります。

順番

  • 訪問した側から、先に差し出します。
  • 複数いる場合は、役職の高い順番で交換していきます。

名刺の受け渡し

  • 基本は、両手で名刺を差し出し、相手の名刺を両手で受けとります
  • 同時交換となった場合は、お互いが右手で差し出し、左手で受け取ったらすぐに右手を添えます
  • もらった名刺は名刺入れの上において置きます。複数の人と交換する場合は、名刺入れの下で持つようにします。くれぐれも、その場で名刺入れにしまわないように注意してください。
  •  名刺を差し出す高さは、相手の名刺よりも少し下の位置で出すようにします。

*時々、お互いに下に下にとなって、低い位置で交換するといった笑い話のような現象もおきます。

  • 差し出す際に「○○社○○部の○○と申します。よろしくお願いいたします」と名乗ります。その際は、原則、苗字だけに留めておきます。
  • 受け取ったときには、「頂戴いたします」と言葉を添え、名刺を両手で持ったままお辞儀をします。

名刺交換での一言コメントの是非

名刺をみて、そこに書かれている内容について、一言コメントするのが良いとされていますが、複数で対応している場合はお勧めしません。

というのも、

  • 複数同士で名刺交換を行っている場合は、双方の上席者を待たせたり、後をつかえさせてしまう
  • 自分が新人の場合、自ら口火を切ると「出すぎた奴=生意気な奴」と受け取られるリスクがある

からです。

 

特に、相手が珍しい名前だったり、著名人と同姓同名のような「つっこみ」を入れやすい名前の場合、「よし!」と意気込んでしまいがちですが、我慢したほうが得策です。

これは、相手がつっこんで欲しいのか、欲しくないのか、それと、複数の場合、つっこまれる人が適切か、つっこむべき人が自分かどうか、という問題があるからです。

人によっては、今まで散々つっこまれてきて、嫌気がさしている人もいますし、あまり好ましくない人物と同姓同名の場合も、触れて欲しくないかもしれません。

 

また、役職が一番上の人であれば、話題の中心として適切であっても、下の場合は避けるべきです。

さらに、自分より上席者がいる場合、その人を差し置いてつっこむのは、双方に対して失礼です。

基本は自分の上席者に任せ、当方が一人の場合は、相手方の上席者から「珍しい名前でしょ?」とか、「彼(相手の部下)の名前、変わってるでしょ?」と振ってくるのを待てば良いですね。

 

名刺交換の位置とテーブル

  • 間にテーブルがあるときは、自分からテーブルの脇、場合によっては相手のそばまで移動して交換します。テーブル越しでの名刺交換は行わないのが原則となります。
  • 名刺交換の後、引き続き着席する場合は、名刺は座っている順番にテーブル上に並べておきます。その際、相手の役職が一番高い人の名刺を名刺入れの上に置きます。
  • 相手が、多人数の場合でテーブルに並べきれない場合は、名刺入れにしまっても構いません。

 

名刺は「相手そのもの」

名刺は「相手そのもの」と意識し、ていねいに扱うことが大切です。

特に相手が見ている前では、絶対にぞんざいに扱ってはいけません。

余談ですが、「長野県庁、知事名刺折り曲げ事件」というのがあります。

作家の田中康夫氏が鳴り物入りで長野県知事に就任したときのこと、役所内を名刺を持ってあいさつして回りました。テレビ局をはじめ、報道陣も一緒です。

その際、とある幹部が、

「社員に名刺を渡す社長がいる会社は、倒産する会社だ」

みたいなことを言って、田中県知事本人およびTVカメラの前で名刺を「くしゃっ」と折り曲げたのです。

さらに、知事が退出したあと、報道陣に向かって大口を叩いたのですが・・・、ニュースやワイドショーなどは、当然、おもしろおかしく放映しますよね。

翌日以降、「なんだ、あいつは!」「失礼にもほどがある!」「非常識な役人は辞めさせろ!」と、県庁に対して非難ごうごう。本人は、すっかりへこんで辞表を提出したというものです。

これは幹部の態度が、いかにも「威張りくさった役人」丸出しだったので、世の大反感を喰らったわけですが、その象徴が「折り曲げられた名刺」だったのですね。

 

その他

肩書きが分からない

新たなお付き合いが始まった会社においては、英語表記など、相手の肩書きがよくわからないときがあります。

その場合は、素直に聞くしかないですね。

例えば「マネージャー」と書かれていたら、「マネージャーさんでいらっしゃるんですね?」と水を向けます。

それで話し始めてくれればOKですが、「はい、そうです」だけで止まってしまった場合は、「具体的には、どのようなお仕事をされているんですか?」と、つないで行くのが良いでしょう。

あてずっぽうで「主任さんのようなお立場でしょうか?」と聞くのは、避けたほうが良いと思います。

大勢が集まる場

パーティーや交流会等、大勢の人が集まり、相手のことがよく分からない場では、若い人が先に差し出すのが一般的なマナーといわれています。

新人の場合は、とにかく自分から先に、を心がけていれば良いですね。

ただし、くだけた感じのパーティーでは、必ずしも名刺交換は必須ではない場合もありますので、ご注意を。

名刺を切らしてしまった場合

名刺を切らしてしまった場合、社名、部署名、苗字を名乗った上で、「申し訳ございません。名刺を切らしておりまして、失礼いたします」とお詫びをし、相手の名刺を受け取ります。

近日中に再会する予定であれば、その際に「先日は失礼いたしました。改めまして・・・」と名刺を差し出します。

当分、会う予定がなければ、お礼とお詫びを一言添えて郵送すると丁寧な対応と言えるでしょう。

名刺管理

個人で管理する場合もあれば、会社で共有する場合もあるでしょう。

個人で名刺管理する場合は、受け取った日付と相手の印象や話した内容などを名刺にメモ書きしておくと、後々、役立つことがあります。

 

おわりに

以上、名刺交換の基本的なルールを記しました。

社会人として、基本的なビジネスマナーである「名刺交換」で、恥をかかないよう頭の中に入れて置いていただければ幸いです。

 

それでは、また、次回!