あなたの職場で、いつも「忙しい!」と言っている人はいませんか?
その人のことを見ていて、あなたはどう感じますか?
うっとうしい、ですよね。
そして、もしかして、あなた自身が「忙しい!」って言っている人ではありませんか?
こちらでは、仕事でいつも「忙しい!」と言う人の能力と姿勢について考えてみました。
「 忙しい」とは何か
忙しさを単純に数式で考えると
「与えられた仕事時間」-「やるべき仕事の量と質」< 0
の場合、「忙しい」となりますよね。
「与えられた仕事時間」は、基本、全員一緒(のはず)ですから、忙しいのか忙しくないのかを決めるポイントは「仕事の量と質」になります。
いつも「忙しい!」人は、
- 業務設計そのものが間違っている
- 本人の仕事の能力に対して、仕事の量か質、あるいは、その両方が高すぎる
と言えるでしょう。
両方とも、上司がマネジメントのやり方を間違えているわけですが、世に言う「ブラック企業」は前者の比重が高いでしょうし、後者は、本人の仕事の能力の問題だと言えます。
そして、その仕事の能力の問題とともに、「仕事に対する姿勢」にも問題がある思うのです。
忙しいという人の仕事の能力
程度の差はありますが、「忙しい」と言っている人たちは、おしなべて仕事の能力が不足しています。
なので、時間当たりの処理量が、並の人に比べて少ないのですね。
忙しいという人は、特に以下の能力が不足している傾向が強いといえるでしょう。
業務スキル不足
- 一般的・汎用的なビジネススキルが低い
- 担当業務に関する専門的知識・技能が足りない・アップデートできていない
*ベテラン社員に多く見られる傾向で、ITリテラシーが低く、昔の非効率的なやり方に固執するためムダに時間がかかってしまい、結果、忙しくなっている。
コミュニケーション能力不足
- 人が言っていることを正しく理解できない
- 自分が言いたいことを正確に表現できない
*コミュニケーションエラーが多発し、無駄な仕事や空回りを発生させている。
仕事を断ったり、依頼したりといった「捌き」が出来ないため、一人で抱え込んでしまう。
なのに、仕事を抱え込むことを「自分は頼られている」「自分じゃないとだめ」と勘違いして、喜びを感じたりする。
整理能力不足
整理能力が不足しているということが、「忙しい人」の能力不足の中でも最大の問題だと考えられるのですが・・・。
- 資料やモノの整理が出来ておらず、どこに何があるかわかっていない
- 頭の中の整理が出来ておらず、目的・目標の履き違え、手段の目的化、そして、本質をおざなりにして枝葉末節にこだわり、結果、不要不急の仕事を作り出している
仕事に対する姿勢
いつも「忙しい!」という人のもうひとつの問題である「仕事に対する姿勢」、これにもいくつかのタイプがありますね。
その代表的なものとして、以下の3つがあげられます。
生活防衛としてわざと忙しくしているタイプ
- 本当は忙しくないけれど、ヒマそうにしていたら余計な仕事を押し付けられるので、わざと忙しいフリをしている
- 家に居づらくて、会社以外に行く場所がなく居残る
- 日中にできる仕事をわざと残して、残業代を稼いでいる
忙しくないと落ち着かないタイプ
- 「仕事とは忙しいものである」といった昔風の考えに凝り固まっており、身体に染み付いている( → 他の人間にも忙しさを強要するタイプ)
忙しい人と思われることに価値をおくタイプ
- 「忙しい人」=「必要な人」という思い込みがあり、必要のない仕事を勝手に作り出していく。「忙しい!」と言うのが好き( → 「忙しそうですね」と言ってもらうことに喜びを感じるタイプ)
上記以外のタイプもあるでしょうし、ここであげた複数のタイプに当てはまる人もいるでしょう。
とにかく、能力不足も含めて、この手の人が同じ職場にいると、良い感じはしません。
まして、「忙しい!忙しい!」とワーワー騒がれたら、鬱陶しくて仕方ないですよね。
第一、本当に忙しい人は、あまり「忙しい!」と言わないですから。
「忙しい」を変えられるか?
ここで書いてきた「忙しい人」たちは、本質的には変わらないかもしれません。
でも、少なくとも周囲に迷惑をかけない程度に、「マシ」になってもらうことは可能だと考えます。
- 仕事の能力が足りない人には、その能力を身につけてもらう
- それでも無理なら、担当する業務の見直しを行う
- 姿勢が良くない人には、その問題点を自覚し、改めてもらう
本人の仕事に対する価値観に踏み込む話ですので、誰かが変えようとすると、大きな軋轢は発生するでしょう。
でも、その職場の長である上司が、率先して解決すべきことなのです。
(このような人を放置しているのは、職場にとって良いわけありませんし、そもそも上司が手を打ってしかるべき問題ですから)
仕事の能力不足という問題
一方、注意すべきは、「忙しい!」と言う言わないは別にして、上述の問題、特に「仕事の能力不足」は、誰にでも起きうる問題であると言うこと。
この傾向にある人たちは、年配者が多いと言えますが、人間である以上、年を取るほど、新しいことに対する抵抗感が強くなります。
まして、これまでの長い年月、自分が身につけたやり方で仕事をして来たわけですから、それらを「正しい」と思い込むのは、ごくごく自然なことです。
結果、知識・スキルは古びていくけれど、人の話には耳を傾けられなくなり、「仕事は出来ないけど口うるさい人」として、職場の中で浮いたりするのです。
そして、このような状況になってしまうかどうかは、実際の年齢よりも「自己成長」を意識しているか否かによることのほうが多いでしょう。
若くて吸収力があり、知力が高い人であっても、「自己成長」しようという気力がなくなると、時代の流れについて行けなくなる、ということです。
そうなってしまわないように、気をつけていきたいところですね。
それでは、また、次回!